オプション・リストにもあるようなアイテムを山盛りにしただけで、それでいて価格は装備レベルが同等のアウディやBMWとほぼ同等となれば、競争力に欠けるのではないか? という不安が生じても不思議ではない。

エンジン・ラインナップも限定的だ。ガソリン・ユニットは182psの1.5ターボのみで、あとは150psと180psの2.0ディーゼル。

DCTかMTか、トランスミッションの選択肢があるのがせいぜい救いだ。

ただ、ヴィニャーレ仕様は、通常のフォード車より100項目も多い品質チェックを受けるし、塗装前にわざわざダチョウの羽で埃を取り除くなど仕上げにも凝っている。

果たして、それらは顧客が財布のひもを緩めるに足る価値を生みだしているのだろうか。

■どんな感じ?

ハンドリングや乗り心地に問題はない。それに対して、設定されるうちで最上級機種でも釣り合わないディーゼル・エンジンには苦言を呈したい。

一方、フォードの傾向通り、クーガ・ヴィニャーレは敏捷で、攻めた走りをしたくなるようなSUVだ。ステアリング・フィールの曖昧さや、荒れた路面で乗り心地が粗い部分も多少はあるが、それはオプションの19インチタイヤによるところが大きい。