スポーツカー専用骨格ならではのポルシェのシャープネスは望めないのも事実だが、逆にいうとM2はポルシェしか較べる相手が思い浮かばない孤高の存在だ。

■どんなクルマ?

3.0ℓ直列6気筒ターボを積み、さらに車名に ‘M’ を冠する2シリーズだが、良くも悪くも標準2シリーズのトップ・グレードでしかないM240iとは別物である。

オーバーフェンダーに包まれた超ワイド・トレッドはM3／M4のサスペンション・パーツを移植したがゆえ。リアにフロントより太いタイヤを履くにもかかわらず、トレッド値がきちんとリアのほうが幅広くなっている点に、M2のシャシー設計の本気度がうかがえる。

3.0ℓターボはパワー／トルク値こそM240iに毛が生えた程度だが、ブロックや内部パーツも別物。今回は2ペダル変速機だったが、M240iのそれとは異なり、7速のツイン・クラッチ式となる。

現代の高性能スポーツで、なおかつベースの2シリーズでは多く可変システムを搭載するのにもかかわらず、いまだに可変機構をあまり使いたがらないのもMならではである。ギチギチに締められたダンパーは固定減衰。電動パワーステアリングもアシスト量こそ速度感応式となるが、他の1シリーズや2シリーズのような可変レシオ機構は省かれる。そして、19インチのミシュラン・パイロット・スーパー・スポーツはもちろん非ランフラットだ。