コルベットZ06級にトルクフル ドンカーブート P24 RS(2) 往年の小さなロータスを彷彿 アナログでクラシカルな一体感

公開 : 2026.08.11 17:50

ロータスのお膝元、英国へ輸入されるドンカーブート P24 RS。来年には右ハンドルも用意されます。その面影にロータス・セブンの姿はありませんが、日常域では往年の小さなロータスを彷彿とさせます。UK編集部による試乗です。

全長4mの2シーターとしては狭くないキャビン

キーを捻り、ドンカーブート P24 RSを発進させる。キャビンを飾るカーボン製パネルが、容赦なく陽光を反射する。赤信号で停まると、エンジンルームから熱が伝わり、オーブンで焼かれるチキンの気分。15分後の自分は、食べ頃かも。

キャビンの空間には余裕があり、幅の広いバケットシートは大きくスライド。伸長190cmで、やや肉付きの良い筆者でも、快適な運転姿勢へ落ち着ける。それでも、オプションのエアコンは必須だろう。

ドンカーブート P24 RS(欧州仕様)
ドンカーブート P24 RS(欧州仕様)

ステアリングホイールは、乗降時に取り外せる。ディヘドラルドアで、開口部も小さくない。肘周りは若干窮屈ながら、全長4mの2シーター・スポーツとしては狭くない。

サスペンションは、美しくローレット加工されたノブの「0」が最もソフト。中央のボタンを押すと、車高が「ハイ」の状態へ上昇する。ドンカーブートによれば、この設定が公道でのオススメとのこと。確かに、印象的なほど英国の道でも走りやすい。

往年のロータスを彷彿とさせる流暢さ

ステアリングは意外なほど軽く回せ、反応は正確で扱いやすい。不快な突き上げなどは排除され、乗り心地はフラットでしなやか。日常的な速度域の限り、往年の小さなロータスを彷彿とさせる、流暢な運転体験へ興じれる。

ボディは荷重移動で適度に傾き、タイヤの負荷状態や、アスファルトの状況を把握しやすい。トラッドなFRらしい、魅力的な操縦性を叶えている。

ドンカーブート P24 RS(欧州仕様)
ドンカーブート P24 RS(欧州仕様)

ただし、5速MTには一定の操作スキルが必要になる。ストロークの短いシフトレバーは重く、スロットへ入る手前に、引っかかるようなノッチ感がある。クラッチペダルは、ストロークが充分で重すぎないけれど。

回転数を正確に掴み、正しいタイミングでの変速が求められる。2026年には、時代錯誤なメカニズムかもしれない。しかし、これが気分を高める。

コルベット Z06のようにロングギアでトルクフル

ギア比は驚くほどロング。1速でも、市街地なら走行用。4速が必要になるのは、高速道路で巡航する場面くらいだろう。5速で6000rpmまで引っ張れば、最高速度の299km/hへ届くという。そして、3.5L V6ツインターボは600psを繰り出す。

積極的に走らせるには、この特性を理解しておく必要がある。変速は、殆ど必要ない。望ましいギアを選び、ブーストの上昇と豊かなトルクを活かし、粘り強いV6エンジンの回転数を操るスタイルが正解といえる。ステアリングホイールを、確実に握って。

ドンカーブート P24 RS(欧州仕様)
ドンカーブート P24 RS(欧州仕様)

記憶を振り返ると、シボレー・コルベット Z06のように、ロングギアでトルクフル。P24 RSの体験の中心にあるのは、力強いこのエンジンだといえる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ドンカーブート P24 RSの前後関係

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