■「買い」か?

ライバルはあまりにも多く、その中でASXが自己主張を通すのは無理な相談に思える。

今回の2.2ℓユニットに関していえば、燃費もCO2排出量も下から数えた方が早いレベルだ。長所を挙げるなら、パッケージは機能的で装備も充実し、三菱お得意の4WDシステムや勇ましい顔立ちも魅力ではあるという点だろうか。

そうは言っても、今回の試乗車のほぼ£30,000(431万円)という価格はあまりに高すぎる。グレードを1段階下げれば£3,000(43万円)は節約できるし、それで諦めるのはレザー・トリムや後席ヒーター、LEDライト程度のものだ。

ASX登場時から比べて、クロスオーバー市場は大きく変化している。今回のマイナーチェンジ程度で、一線級の競争力を得ることはむずかしい。

兄貴分のアウトランダーがPHEVというニッチな仕様で大成功を収めているのに対し、ASXのディーゼルは市場に溢れる魅力的なライバルたちの陰に隠れてしまっている。それが現実だ。

■日本版編集部の見立て

フェイスリフトを施したものの、基本設計年次の旧さもあって、競争激しいこのカテゴリーでのトップ・クラスに返り咲くことは難しい。しかも、残念ながら、英国にもたらされるディーゼル・ユニットの出来がいまひとつというのも問題のようだ。

三菱ASX 2.2D オートAWD 5

価格	£28,399(408万円)
全長×全幅×全高	4355x1810x1640mm
最高速度	190km/h
0-100km/h加速	10.8秒
燃費	17.2km/ℓ
CO2排出量	152g/km
乾燥重量	1540kg
エンジン	直列4気筒2268ccディーゼル
最高出力	150ps/3500rpm
最大トルク	36.8kg-m/1500-2750rpm
ギアボックス	6速オートマティック