アウディS5は「能ある鷹」 A4、S4、A5と異なるアプローチ RS5との関係性は?

公開 : 2017.05.29 19:10  更新 : 2017.05.29 20:19

アウディS5クーペを国内で試しました。実力をひけらかさないアウディならではの「インテリジェンス」の象徴とも言えるクルマ。見て、乗って、アウディの「最適解」だと判明しました。

■どんなクルマ?

シャープなボディはあの銘車譲り(?)

アウディの新型S5クーペに試乗することができた。これはアウディA5/S5シリーズがフル・モデルチェンジを受けたことによるもので、クーペは9年、4ドア・モデルのスポーツバックは7年、そしてカブリオレは8年ぶりの刷新となる。

2007年にデビューしたA5シリーズは元々A4セダンのアーキテクチャーを使用し、エレガントなクーペ仕立てのボディと組み合わせたことから始まっている。

最初は偶数=4ドア、奇数=2ドアというモデル・ネームの解釈が成立したが、2009年に4ドア・クーペともいうべきA5スポーツバックがデビューすると不文律は崩れ去っている。

 

とはいえ今回のA5/S5シリーズもボディの核となるアーキテクチャーはA4のそれに準じている。

流麗な2ドア・ボディに強心臓とフルタイム4WD、クワトロ・システムを搭載したハイ・パフォーマンス・クーペという、アウディ現行5シリーズ中で最も華やかな立ち位置を持ったS5クーペは、エッジの効いたスタイリングと内に秘めた高性能によって、WRCに革命をもたらした初代アウディ・クワトロを彷彿とさせるのである。

角っこはまさにナイフエッジ

初代からS5クーペの最大のトピックは優雅なスタイリングにあったが、今回はピンッと張り詰めたようなエッジを多用することによってさらに緊張感が高められている。

特にボンネット・サイドのラインをそのままテールエンドまで導いたショルダーのキャラクター・ラインは自動車世界では見慣れないナイフエッジのようなシャープさを誇り、アウディの工作精度に惚れ込んでいるファンを熱狂させるような仕上がりになっている。

 

またフロントとリアのフェンダーにバランスよくボリュームを持たせたためか、ドアが巨大すぎるということもない。

クーペ・モデルのオーナーはスタイリングと同じように駐車場での乗り降りもエレガントにこなしたいと思っているに違いないが、現実にはそうもいかない場合が多い。だが新型S5クーペのドアを開け閉めする限り、ある程度狭い駐車場でもうまく乗り降りができそうだと確信した。

リア・シートも、一旦座ってしまえば快適に過ごせるだけの空間はしっかりと確保されていた。

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