回顧録(5) ポルシェ911ターボ(930) 当時の評価、いまの感触は?

公開 : 2017.08.18 16:40

数値で振り返る「930ターボ」

911ターボは、930/50エンジンをRS 3.0から受け継いだ。スペックシートには、電子制御点火装置、圧縮比6.5:1の鍛造合金ピストン、ボッシュ製KEジェトロニック点火装置、そしてKKK製ターボチャージャーの文字が記載されている。

こうしたメカの相乗効果により、5500rpmで264ps、4000rpmで35.0kg-m、さらに0-96km/h加速が6秒、そして最高速度が251km/hという高い性能が生み出されたのだった。

当時の金額で£24,449(345万円)したターボ車のインテリアは、むき出しのRSRとは異なり、長距離走行が想定されている。

ちなみに、当初は500台の生産が予定されていたものの、911の生産計画が1981年以降も延長されるのに伴い、ターボ車の生産も延長された。

1977年には、3ℓモデル(2819台が生産された)が、インタークーラー、大型のコンプレッサー、圧縮比7:1の3299ccエンジンを搭載し、トルクを引き上げ、信頼性を高めるために設計を大幅に改良した930/60に置き換えられた。

これにより、5500rpmで304ps、4000rpmで452kg-m、最高速度が時速257km/hに達し、0-96km/h加速が5.3秒まで短縮された。

そして外観は、3.3ℓモデルからインタークーラーと相性の良い、さらに迫力のあるティートレー形のスポイラーが採用された。

エンジンが大型化され、クラッチの設計が変更されたため、リアのオーバーハングを長く取る必要性が生じ、重量配分に関してはあまりメリットがなかったというのは残念だが。

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