試乗、マクラーレン570Sスパイダー 「いい意味でクーペと同じ」

公開 : 2017.10.18 11:40

どんな感じ?

サウンド、回転フィールは?

エクステリアは見とれるほど美しく仕上げられている。それだけに、この美しいクルマに、どうやって乗り込むべきか、考える価値はある。先にお尻から腰掛けて足を引き入れるか、左足から先に乗り込み、Aピラーに手をかけて乗り込むか。どちらが美しいだろうか。

ふんだんなアルカンターラに包まれる洗練されたインテリアは、マクラーレンによるハンドメイド。ドライバーの正面には視認性の良い高精細デジタルモニターが位置しており、3つの走行モードは、フロアにマウントされたセンターコンソール上のふたつのダイヤルから選択が可能だ。インフォテインメントシステムのタッチ式モニターは、操作性の良い、インパネの高い位置にレイアウトされている。

570Sスパイダーが発するエンジンスタート時のノイズは、ルーフを開けていれば一層心地よく耳に届く。トランスミッションの初期設定はオートマティックモードだが、パドル操作が優先され、ボタンを押せば完全なマニュアルモードも選択可能となる。

一般道でも、運転は安楽だ。大きな強みは、ダイレクトなパワー感を、繊細で上品にコントロールしている点。イタリア製のミドシップ・スーパーカーに心を奪われないようなドライバーに対しても、訴求できる。攻め立てた走りを望まない場合でも、非常に快適にドライブできるはずだ。腕に自信のあるひとを含むほとんどのオーナーにとって、一般道を前提としたクルマには570psという最高出力は過剰であり、この味付けは間違いではないと思う。

一方で気持ちの準備が整ったなら、スロットルを深く踏み込むことで、落ち着きのある凶暴さとでもいうようなスパイダーの本性を味わうことも可能だ。向こう見ずなアクセルペダルの操作は、特に低いギアでは避けた方が良いだろう。

ツインターボエンジンは完璧なリニア性を保って、アイドリングから8250rpmのレッドゾーンまでパワーとトルクを供給するため、望むぶんだけの加速を得られる柔軟性を持っている。ただし、ターボ化されたエンジンノイズは自然吸気エンジンほどメロディアスではなく、エンジニアは代わりに盛大なボリュームで吸気音が聞こえるようにセッティングしたようだ。

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