BMW、より上流志向へ デザイナーとマーケターが見据える未来とは?

公開 : 2017.10.22 08:10  更新 : 2017.12.14 12:31

具体的に何がどう変わる?

熱狂的なBMWファンは、いくつかの広告に一般人が出たり、ソーシャル・メディアも含めてメッセージのトーンが車種ごとに違っていることに気づいているかもしれない。

「最新の1シリーズの広告キャンペーンでは、いま話題のドローンと競争させることで、1シリーズは完全にデジタルなんだと言っています」

このリフレッシュによって1シリーズ・ブランドは最新でモダンなものであり続けます。重要なことは、それぞれのセグメント、購買層に合わせて、すべてのクルマに新しく異なった解釈を加え続けるということです」とウォルトマンは言う。

iモデルについては、「さらにデジタルで、もっとマルチメディアで、もっとエモーショナルというまったく新鮮なアプローチをしていきます。これは強烈なメッセージです」と彼女は付け加える。

BMWのラグジュアリー・モデルである既発売の7シリーズや、今後発売されるX7と8シリーズ・クーペの表現には、ファッションの世界から借用した戦略を使う。

「われわれのルーツに立ち返り、アレキサンダー・マックィーンのようにフルネームを使います」とウォルトマンは言う。マックィーンなどのファッション・ハウスは、ハイエンド・ラインにはフルネームを使い、お手頃価格の商品にはイニシャルを使っている。

「これに合わせて、クルマの見た目自体も変わるんです」とホーイドンク。「つまり、より少ないエレメント、より少ないラインで最大の効果を上げるべく、見た目はさらにクリーンでなければいけない、ということです」

「しかもラインはパリッとして、よりシャープかつ正確であるべきです。これは新しいトップエンドのクルマにピッタリだと確信しています。デザイン言語を減らす場合、細部がより重要になります。ラグジュアリー・モデルの場合はなおさらです。われわれのラグジュアリー・モデルは、とてもモダンです」

新しいデザイン言語とは、単に形をシンプルにリファインすることではない。BMWは各モデルの個性を際立たせることに熱心である。新しいグリルはこの流れである。

「次世代のモデルでは、それぞれを互いにまったく別のものにしたいんです。それぞれのモデルには、違うブランドのまったく異なった競争相手がいます。その意味で自動車産業は変わったのです」とホーイドンクは言う。

「ラグジュアリーカーの場合、となりのクルマから区別するのが良い方法です。われわれもそうします。新しい8シリーズを見れば、その名に値することがわかるでしょう。以前の8シリーズ同様、それはサルーンから派生したクーペではありません」

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