ハイエンド「屋根開き」対決 アストンV8 vs BMW M6 vs ジャガーXKR 前編

公開 : 2017.11.18 10:10  更新 : 2017.11.18 11:06

マッチョなM6はクーペでどうぞ

いうまでもないことかもしれないけど、今回の勝負は要するにグラマー度較べほとんどそのものだ。したがって、BMW的にはほとんど全然オイシクない。でもって正直にかつ率直に認めてしまうと、1700万円近いお金を払って買って乗るものとしては僕はこのクルマ、わけわかんない。クーペの大ファンではあるけれど、コンヴァーティブルは値段見ただけでちょっと高すぎると思ってしまう。M6は本質的にマッスル・カーだと僕は考えていて、だからそれベースの高速クルーザーなんぞを作ってどんなイイことがあるのかよくわからない。手に負えないクルマ。

重量増(220kgほどですが)によるパフォーマンス低下はわずかにある。でもこれ、依然としてすごーく速い。405psモードのままでも全然問題なく他の2台とコンヴォイを組んで走っていける(最後のあと101psはボタンを押さないと使えるようにならない)。

技術的に、およびダイナミック性能的にも、BMWは他の2台よりも高いレベルにある。車体構造はビックリするほどシェイクと無縁で、ちゃんと使える2人ぶんの後席があって、しかも乗り心地はクーペ版のそれよりむしろイイ。

なぜって、乗られかたがクーペ版とは違うということでBMWはこっちのほうによりソフトなアシを組み合わせているから。

ただビックリなことに、高速で走った際のキャビン内のエアフローの暴れっぷりはBMWがいちばんヒドい。ガラスのリア・スクリーンを上げると事態は鎮静化するけど、でもそうなるとこんどはまた別の問題が発生することになる。

すなわち、せっかくのラグスターなのにブートリッドからガラス板が突き出しているのはいかがなものか、という。要はカッコ悪い。ブザマ。屋根開きモータリングのなんなるかをイマイチ理解していない。僕にいわせれば。

グラマー度の高い低いでほとんど勝負が決まってしまう今回なので、そこのところは見逃しておけない。

後編へつづく。

AUTOCAR JAPAN誌 49号

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