トヨタ・ランドクルーザー・プラド17年型 ディーゼルを味わう 2度目のマイナーチェンジの成果は?

公開 : 2017.12.01 11:40  更新 : 2021.01.28 18:18

「買い」か?

輸入車にはない柔らかさ タフネスも両立

上記の優秀なSUVとしての機能はもちろんだが、今回の試乗車、TZ-Gのオプション盛りの真価はやはり電子制御でアクティブに統括された走行性能の部分である。

5段階に切り替わるドライブセレクトは、モード毎の差がはっきりとしていて、機能的にも優秀といえた。特に感心させられたのはコンフォート・モードのダンピングで、流体の上にいるような実に快適な乗り心地をもたらしてくれる。高速道路や山道だと少しボディが振られるのでノーマルモードに戻す必要があるのだが、この柔らかさは輸入車ではまず選べないほどである。

一方ノーマルも硬すぎず、しかしきちんと車体の制御が効いている感じで腰高感がない。この乗り心地にはAVS(アダプティブ・バリアブル・サスペンション・システム)のセッティングだけでなく、エアボリュームのある55扁平のタイヤとアクティブに走りを制御するKDSS(可変スタビライザー)が貢献していると思われる。

前後スタビの基部に油圧シリンダーを配し、アキュームレーターの油圧で前後のスタビの効きをコントロールするシステムは、重心の高いSUVでは特に有効で、やさしい乗り心地とふらつき防止を走行モードに合わせて両立させてくれる。

KDSSの効きがはっきりとわかるのはマルチテレインセレクトを作動させた時で、一気にサスペンションストロークの規制がなくなりロールが大きくなることがわかった。

今回はオフロード走行を試すことができなかったのだが、ランドクルーザー・プラドTZ-Gが快適なファミリーユースから、過酷なオフロードモードまで幅広くカバーしていることは確かに理解できた。

高性能であるだけでなく、それらが有効に走りに現れている様を体感すると、先に記した車両の総価格がリーズナブルだと感じられるはず。普通のSUV以上のタフネスや走破性を必要とするユーザーにとっては買いの1台である。

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