ポルシェGT部門責任者に聞く(後編) 26台のヒット作で最も完成させるのが難しかったモデルは? 気になる今後の展開

公開 : 2026.08.25 17:10

ポルシェのGT部門を約25年にわたり率いてきたアンドレアス・プレウニンガー氏に単独インタビューを実施。「ヒット作」を生み出す秘訣や顧客との心温まるエピソード、今後のGTモデルの展開についてじっくりと聞きました。

メディアのレビューについてどう思う?

筆者はプレウニンガー氏に、メディアに対する見解を尋ねた。ポルシェのGTモデルは(AUTOCARを含め)世界中のメディアで高く評価されているが、そうした評価を受ける前から予約が殺到することが頻繁にある。

「新型車を発表した直後に得られる最も大きな喜びの1つが、メディアの反応です」と彼は言う。

AUTOCARはポルシェのGT部門を率いるアンドレアス・プレウニンガー氏に単独インタビューを行った。
AUTOCARはポルシェのGT部門を率いるアンドレアス・プレウニンガー氏に単独インタビューを行った。

「当社のクルマをテストしてくれるメディアは、優れたドライバーや情報を揃えていることで知られており、平均的なGT購入者も彼らと非常に似た考えを持っていると思います。貴誌が当社の顧客層に与える影響力は極めて大きいですよ」

「発表から初試乗までの間も、消費者から直接、多大な信頼を寄せられています。発売されると、ロードテスト(公道試乗)を待たずに注文が殺到します。これは市場では珍しいことです。なぜか? わたし達が一度たりとも彼らを失望させたことがないからです。わたしのチームがこれまでに手掛けた26のモデルは、すべてが大成功を収めました。自慢しているわけではなく、これは事実です」

投資対象ではなく走るためのクルマ

「GTモデルは楽しむために作られており、そのことが記事にも表れています。ジャーナリストたちが楽しんでいるなら、それは良いテストです。多くの自動車メディアはGTモデルを所有しているか、あるいは所有したいと思っているようです。つまり、あなた(筆者)もお客様、あるいはお客様になるかもしれない人なのです」

プレウニンガー氏の言う通りだ。インタビューの前日、筆者が業界の同僚たちと話していたところケイマンGT4の話題になり、同僚のうちの1人が間もなく購入に踏み切ろうとしていることがわかった。そして筆者のオートトレーダー(自動車のオンラインマーケットプレイス)の検索履歴を見ると、直近2回の検索はGTモデルに関するものだった。そう、いつの日か筆者も……。

ポルシェのGT部門責任者アンドレアス・プレウニンガー氏は「楽しむためのクルマ」を作っていると語る。
ポルシェのGT部門責任者アンドレアス・プレウニンガー氏は「楽しむためのクルマ」を作っていると語る。    AUTOCAR

しかし最近、一部のGTモデルの価格が急騰している。997型GT3 4.0は、言うまでもなく伝説級のマシンだが、現在では100万ポンド(約2億1500万円)に迫っているのだ。この件についてプレウニンガー氏は、投資対象としてではなく、実際に走らせるためにクルマを作っており、生産台数が限定されているモデルは単に金型や生産上の制約によるものだと説明する。それでも、彼はその高い残存価値を誇りに思っている。

プレウニンガー氏によれば、GT3仕様の911はかなり頻繁に運転されており、ポルシェのチューニングパートナーであるマンタイ社の試算では、ニュルブルクリンクの「ツーリストラップ(観光ドライブ)」の約70%がこうしたモデルによるものだという。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

ポルシェGT部門責任者アンドレアス・プレウニンガー氏に単独インタビューの前後関係

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