マイクロカー「ピールP50」に試乗 独特の世界観、理由はどこに?

公開 : 2018.01.20 10:10  更新 : 2018.01.20 10:51

ピールP50をご存じですか? 60年代にマン島で生まれたマイクロカーで、その希少性から今は高額で取引されています。そんな状況に抗おうとしたこのクルマのマニアが、復刻版を生産し手頃な価格で販売しています。独特な世界観はどこから? さまざまなシチュエーションで探ります。

もくじ

3万円のクルマが1600万円に
ピールP50の歴史をおさらい
好きが高じて復刻を実現
オリジナルに限りなく近いスペック
まさに「クルマを着る」感覚
小さく過敏だが、操縦はラクラク
4.9psの幸福製造マシン
番外編:ほかの愛すべきマイクロカーたち

3万円のクルマが1600万円に

2017年夏、RMサザビーのモンテレー・オークションで、アストン マーティンDB4GTプロトタイプが500万ポンド(約7億5000万円)の値を付けた。

ちなみに、量産モデルであれば300万ポンド(約4億5000万円)、アストン マーティン・ワークスが復刻したコンティニュエーションならば150万ポンド(約2億2500万円)といったところだ。

そのオークションの目玉が登壇する3台前、世界最小クラスのレアなサバイバーが、これまた会場に衝撃を与えた。ちんまりと可愛らしく、ばかばかしくさえ見えるそのクルマの名はピールP50。

全長1.4m弱のそれが、10万5000ポンド(約1600万円)をわずかに超える価格で落札されたのだ。シートもシリンダーもひとつしかないその三輪車、新車価格は199ポンド(約3万円)である。

実際、P50は13万ポンド(約2000万円)以上で取り引きされたこともあるが、2011年には生産が再開され、価格は1万3679ポンド(約205万円)。

ロンドンに本拠を置く新生ピール・エンジニアリングによるそれは、先に述べたアストンのほか、ジャガーEタイプ・ライトウェイトやXKSSといった復刻版が高額で販売されているのと異なり、オリジナルの流通価格の10分の1程度と良心的な値付けだ。

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