ルノー・メガーヌRS新型 「280 EDC」に試乗 FF最速の奪還なるか 評価は?

公開 : 2018.02.02 16:40  更新 : 2018.02.08 09:15


精彩に欠くシフトパドルとエンジン

もうひとつメガーヌRS280で気になる部分は、デュアルクラッチATのシフトパドルの位置とタッチ。残念ながら、これには記憶がある。メガーヌのシフトパドルの触感は、クリオよりも良くはなっているが、大きくは変わりない印象。強く批判されてきたクリオRS200の軽すぎるパドルが、一回り大きな兄貴分となるモデルにも搭載されてしまったようだ。

そもそも、ステアリングコラムから不自然な位置に伸びているので、変速する度に、指先を少し伸ばす必要がある。

加えてソリッド感に欠けており、ちゃんと変速できたのかどうか、実感が乏しい。従来通りスポンジのような操作感だから、パドルをうっかり引き上げることもあり、間違って2速同時に変速ということも起こり得てしまう。

ちなみに、ステアリングコラムに備わるオーディオコントロールは、少し上方に移動した。

デュアルクラッチAT自体は、とても良く動作し、シフトダウンよりもシフトアップのスピードの方が速いが、ギアレシオの設定も悪くない。クリオRS200のものよりも、駆動力をしっかり前輪に伝え、ドライバーの意思に沿ったコントロールをしてくれる。

スムーズさと賢さを持ったミッションで、Dレンジのままなら、より操作しやすいシフトパドルを持ったホットハッチのライバルより優れていると思う。

そのギアボックスと接続されるメカニズム、エンジンの仕上がりはどうかというと、十分に力強いものにはなっている。ホットハッチと呼ばれるカテゴリーの中では、競争力のあるものと言えるだろう。

しかし旧モデルのメガーヌ275が搭載していた2.0ℓエンジンから置き換わった1.8ℓターボエンジンが、平均以上だとも思えない。

メガーヌRS280は実際の路上では極めて高い戦闘力を持ってはいるが、それはエンジンに依存するものではない。高回転型でトルキーな性格ではあるものの、サウンド面の特徴はなく、アクセルペダルの動きとレスポンスとの間に若干のズレも看取される。

シビック・タイプRの2.0ℓエンジンのように、高回転域での強引なまでのパワーがある訳でもない。ホットハッチのエンジンは、熱いほど良いのだが。

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