ホンモノの誘惑 中古で探すアストンDB7/フェラーリF355/ポルシェ911ターボ 後編

公開 : 2018.02.05 16:20  更新 : 2018.02.05 16:21

前編では、名門の新時代を開く2台に試乗した中古スーパーカー比較ですが、後編では消えゆく伝統の残り火、空冷最後の911ターボが登場。そして、いよいよ選ぶべき1台を決定します。『AUTOCAR JAPAN』2008年6月号からの再録です。

AUTOCAR JAPAN誌 61号

もくじ

前編
ネオヒス・スーパーカーのススメ
アストンの救世主
英国紳士のごとき振る舞い
黒いドレスの美女
じゃじゃ馬慣らしもまた一興

後編
カルト的古典
スーパーカー界の万能選手
結局どれを選ぶべきなのか?
ストレスフリーさに軍配

カルト的古典

高評価が実車を追い越してしまっている感がなきにしもあらずだが、1974年に初めて911にターボが搭載されて以来の付き合いのなかで、911ターボは代を重ねるほどに前モデルをはるかに凌ぐ速さを手に入れ、そして格段に戦闘力を増してきたのはまぎれもない事実だ。  

タイプ993のこのモデルは1995年に発売された。もちろんわれわれの評価は最上級に近い。フルタイム4WDを採用した初めてのポルシェ・ターボであり、レスポンスに優れるツインターボを導入したのも初めてであり、伝説の空冷式水平対向エンジンを搭載した最後のクルマでもある。  

ここに用意されたダークブルーの911ターボは1996年式である。13万2000kmという走行距離に不安がなかったわけではないが、ほかの2台との価格差をできるだけ少なく抑えるためにはこういう選択をするほかなかった。  

塗装の状態もよく、斬新なルックスのホイールを履いたこの911ターボは、間違いなく最後期に作られたものだ。だが、右ハンドルのため、各ペダルはかなり左側にオフセットしており、スイッチ類の配置も見事なほどわかりにくい。水冷になって以降の911にしか乗ったことがない人にとっては、驚くべき仕立てに見えることだろう。しかし目の前にあるこのクルマは、多くの当時のほかのドイツ車たちと同様に、冷酷なほどに過剰な技術が投入されている。  

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