史上最も希少な量産モデル 21選(前編) アルファ・ロメオからハマーまでメーカー別 二桁生産ランボルギーニも

公開 : 2025.12.27 11:25

大量生産を狙ったにもかかわらず、さまざまな理由から「少量生産」にとどまったモデルをメーカー別に紹介します。BMWやフォルクスワーゲンのような大手メーカーですら、意図せず希少車を生み出してしまうことがあるのです。

意図せず「希少」になってしまったクルマ

「希少車」や「少量生産」と聞くとついつい心を惹かれてしまうが、メーカーは必ずしも意図的に生産台数を抑えているとは限らない。トヨタホンダフォルクスワーゲンといった大手メーカーでさえ、意図に反して少量生産にとどまってしまうことがある。

BMW 507(写真)のように、さまざまな理由でターゲット層に響かなかったもの。フォルクスワーゲンがオーストラリア向けに開発したビートルベースのバギーのように、コストを理由に早期に打ち切られたもの。本特集では、そうした主要メーカーの希少なモデルを見ていきたい。

さまざまな理由から少量生産のとどまってしまったモデルをメーカー別に21台紹介する。
さまざまな理由から少量生産のとどまってしまったモデルをメーカー別に21台紹介する。

一貫性を保つため、今回は公道走行可能な量産モデルのみを扱う。限定生産車(例:ブガッティ・チェントディエチ)、特注のコーチビルドモデル、公道走行を想定しないレーシングカー、プロトタイプ、コンセプトカーは除外する。

アルファ・ロメオ:33ストラダーレ(生産台数18台、1967-1969年)

レースに深く根ざしたアルファ・ロメオは、1967年に33ストラダーレを投入し、市販車の性能水準を大幅に引き上げた。レースで勝利を収めたティーポ33と密接に関連しており、最高出力230psのV8エンジンにより0-97km/h加速6秒未満を達成。初期のスーパーカーの1つに数えられる。バタフライドアも特徴的だ。

しかし、レースで鍛えた技術を公道モデルに注ぎ込むには大変なコストがかかり、33ストラダーレはランボルギーニ・ミウラよりも高価だった。合計18台が手作業で作られたところで、生産終了となった。

アルファ・ロメオ:33ストラダーレ(生産台数18台、1967-1969年)
アルファ・ロメオ:33ストラダーレ(生産台数18台、1967-1969年)

なお、ザガート設計のアルファ・ロメオTZ2は12台のみの生産だが、すべてサーキットへ送られている。RZは、1992年から1994年にかけて278台が生産された。

アウディ:クワトロ(1万1452台生産、1980-1991年)

アウディ・クワトロは革新的なモデルで、1980年代のラリーシーンを席巻したことで知られているが、同時に10年以上もラインナップに名を連ねた量産モデルでもあった。高い価格設定がハードルとなり、当時でさえ見かけることは少なかった。1980年から1991年にかけて、1万1452台が生産された。

1980年から1988年に販売された、より安価な前輪駆動の80クーペは17万4687台を記録した。ちなみに、アウディの初代R8(2006-2014年)は2万3905台販売されている。

アウディ:クワトロ(1万1452台生産、1980-1991年)
アウディ:クワトロ(1万1452台生産、1980-1991年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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