CEOに聞くジープの将来 販売50万台増/車種拡大めざす 識者の見解は

公開 : 2018.04.21 08:10  更新 : 2018.04.21 11:01

専門家の意見

一般的な見方としては、ジープはよくやっているものの、これからいくつかの難題に直面するというものだ。

もっとも差し迫っているのは、野心的な今年の売上目標190万台である。詳細な売上予想を自動車産業の主要なプレイヤーに提供しているIHSマーキットは、2018年の売上台数の増加をジープの予想50万台よりずっと控えめな12万5000台と予測している。

「今年はそんなに楽観はできません」とIHSのコンサルタントであるコリン・カウチマンは言う。「ジープはかねてから大きな世界的目標を持っています。しかし、圧倒的なSUVの増加により、ジープはライバルたちによって市場からはじき出されるかもしれません。特に中国で」

IHSは、ジープが190万台の目標を達成するのは2023年以降だと確信している。つまり、ジープの親会社であるFCAの5カ年計画が終わった後だ。

またIHSは、2019年と2020年の売り上げは小康状態で155万〜156万台程度だと予測する。2021年には欧州、中国、ラテンアメリカでの売上が持ち直し、新しい小型Bセグメントのジープも発売されて、全売上は168万台まで上昇すると予測している。

一方、カーディフ大学の自動車産業研究所の所長ピーター・ウェルズは、ジープはいくつかの大きな戦略的課題に直面すると考えている。

ウェルズはこう言う。「投資が減り、戦略的パートナーもいません。FCAは、ルノー-日産アライアンスのようにパートナーを見つけてコスト削減をすることができるでしょうか?」

彼は続ける。「アライアンスにより、年間の購買費用1000億ドル(10兆7000億円)のうち50億ドル(5400億円)の削減が可能です。この分を電動パワートレインや新しいプラットフォーム、製造能力の向上に投資することができます」

「ジープはみずからが言っている売り上げの拡大に悪戦苦闘すると思います。わたしに言わせれば、ジープは世界的ブランドの確立に、より多くの努力をするべきです。ランドローバーが輝かしい成功を収めたように」

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