新型『レクサスES』の美点は普通の人が普通に実感できる! セダン受難の時代でも進化を留めない「作り手の愛」【渡辺敏史が吟味】

公開 : 2026.07.14 11:45

8代目となる新型『レクサスES』を、アメリカで渡辺敏史が取材します。そこには、セダン受難の時代でも進化を留めない「作り手の愛」があるといいます。新型のモデル概要を確認しながら、その魅力を探ります。

圧倒的な主役だった『ES』のプレゼンスに翳り

クルマの販売現場がSUVで占められる、そんなご時世になって久しい一方、その票田を崩され続けてきたのがセダンやワゴンだ。たとえばレクサスの主戦場である北米市場をみれば、ご当地ブランドでのラインナップはもはや片手で足りるほどだろうか。

ご多分に漏れず、レクサスも販売の主力がRXやNXに移る中、数的に圧倒的な主役だった『ES』のプレゼンスにも翳りがみられるのは確かだ。が、元来エンジニアの中には、セダンこそ動的質感においてはSUVにはない骨格的な利が備わるクルマの基本だという想いを抱く方も多い。

8代目の新型『レクサスES』。写真は2.5LベースのHEVとなる『350h』。
8代目の新型『レクサスES』。写真は2.5LベースのHEVとなる『350h』。    レクサス

新しいESの開発に携わったエンジニアも然りで、マイカーとしてずっとセダンを愛用してきた方もいるという。8代目となる新しいESの背景にあるのは、受難の時代でも進化を留めない、作り手たちのそういうセダン愛だ。

新型における最大の特徴は、全量全グレードでパワートレインの電動化を果たしたことにある。2Lベースと2.5Lベースとなる2種類のHEVと、1モーターFFと2モーター4WDとなる2種類のBEV、計4つのバリエーションが用意される。

80ヵ国を超える仕向地の中には、日本とは比べ物にならないほど使用環境が厳しいところもあるわけで、そういう地域でも性能や品質を維持できるという自負はやっぱりすごい。

日本市場向けに導入される3バリエーション

このうち、日本市場向けに導入されるのは2.5LベースのHEVとなる『350h』、ふたつのBEVとなる『350e』と『500e』、計3つのバリエーションとなる。

このうち、BEVの2モデルについては、標準仕様に加えて内装のより豪華な『バージョンL』、更に1モーターの350eには後席の居住性と寛ぎに焦点を当てた『リアコンフォートパッケージ』という3つの仕様が設定されるのが特徴だ。

350hは4WDが選べるようになり、日本でも東北以北に向けて商圏の拡大が予想される。
350hは4WDが選べるようになり、日本でも東北以北に向けて商圏の拡大が予想される。    レクサス

一方の350hの内装は標準仕様のみの設定となるが、駆動方式に4WDが選べるようになったことで、日本でも東北以北に向けて商圏の拡大が予想される。

その350hは、搭載エンジンの形式自体は前型と同様の『A25A-FXS』型だが、パワーユニット全体の剛性強化やeアクスル部の一体構造化による音振要素の低減、駆動バッテリーのリチウムイオン化による電気の出し入れ性能向上など、動力性能と燃費性能を同時に高めている。ちなみにWLTCモードでの燃費は25.4km/Lで、これは先代よりも1割以上の改善となっている。

一方のBEVは先のマイナーチェンジで航続距離を大幅に伸ばした、RZのeアクスルや駆動バッテリーといったシステムを活用しながら、独自のチューニングでESらしさを追求している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    渡辺敏史

    Toshifumi Watanabe

    1967年生まれ。企画室ネコにて二輪・四輪誌の編集に携わった後、自動車ライターとしてフリーに。車歴の90%以上は中古車で、今までに購入した新車はJA11型スズキ・ジムニー(フルメタルドア)、NHW10型トヨタ・プリウス(人生唯一のミズテン買い)、FD3S型マツダRX-7の3台。現在はそのRX−7と中古の996型ポルシェ911を愛用中。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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