英国製軽量ミドシップスポーツカー『ウェルズ・ヴェルティージュ』改良でシリーズ2へ移行 860kgの車重は維持したまま大排気量化

公開 : 2026.07.14 07:45

英国の自動車メーカーであるウェルズは、同社初の市販スポーツカー『ヴェルティージュ』に改良を実施し、860kgの車重を維持したまま2.5Lエンジンを搭載。より優れた走行性能と快適性を発揮するとされています。

フォード製2.0Lから2.5Lへ強化

英国の自動車メーカーであるウェルズ・モーター・カーズは、同社初の市販モデル『ヴェルティージュ』に改良を加え、エンジンを大型化するとともに、室内の快適性を高めた。

「シリーズ2」となるヴェルティージュは、従来搭載されていたフォード・デュラテックの2.0L 4気筒エンジンから、2.5Lエンジンへと変更されている。これによりトルクが大幅に向上し、シフトチェンジ時のパフォーマンスも著しく改善されたという。

ウェルズ・ヴェルティージュ
ウェルズ・ヴェルティージュ

AUTOCAR UK編集部が3月に実施した2.0L版のヴェルティージュRのロードテストでは、「スロットルを全開にした際、2000rpm以下で時折エンジンがギクシャクする感覚があった」と指摘されている。

AUTOCARの取材に対し、ウェルズの創業者ロビン・ウェルズ氏は、今や一般的となったターボチャージャー付きエンジンやハイブリッドに言及しつつ、よりクイックなレスポンスを実現すると述べた。ヴェルティージュで「3速のままのんびり走れる」ようになったという。

顧客を実験台にしたくない

排気量の増加に伴い、標準モデルの最高出力も208psから228psに向上した。一方、最上位モデルのヴェルティージュRは販売終了となる

ウェルズ氏によると、Rモデルは当初からサーキット走行に重点を置いた限定生産のアップグレードパッケージとして企画され、スーパーカーを所有していたりサーキットを走ったりするオーナー向けに販売されていたという。

ウェルズ・ヴェルティージュの2.0Lエンジン
ウェルズ・ヴェルティージュの2.0Lエンジン

しかし、すべてのオーナーを対象にしないことへの「道徳的なジレンマ」を抱えた結果、すべてのオーナーに販売することになり、Rモデルの全生産台数が完売した。ウェルズ氏は、Rモデルを特別なオプションとして設定しようとしていたが、ほとんどの購入者がRモデルを選んだことに驚いたと語った。

さらに、ヴェルティージュのシャシーについては、従来モデルよりも高い出力に「十分に対応できる能力がある」と確信していたそうだ。

ウェルズ氏は、改良型ヴェルティージュの開発において「お客様を実験台にしたくない」と強調した。同氏は2025年初頭から、自社の開発車両に新しい2.5Lエンジンを搭載し、自ら毎日運転しているという。以前の2.0Lエンジと比較して、その性能と特性に自信を持っている。

キャビンの居住性も改善

また、新たにクワイフ(Quaife)製ATBリミテッドスリップディファレンシャルのオプションが追加された。ウェルズ氏は、サーキット走行が主目的ではないものの、そのような走行シーンにおいてさらなるトラクションを発揮すると述べた。

「これにより、ヴェルティージュの楽しみ方が広がるでしょう」

ウェルズ・ヴェルティージュ
ウェルズ・ヴェルティージュ

ボディ構造も改良され、背の高いドライバーの快適性を高めるために70mmのスペースが確保された。ボディサイズ(外寸)は変わっていない。フロントバルクヘッドの位置を移動させてフットウェル内のレッグルームを約20~30mm拡大し、リアバルクヘッドには「スカラップ加工」を施してヘッドルームを同程度確保した。

また、従来モデルに搭載されていたソニー製ユニットに代わり、新しいインフォテインメント用タッチスクリーンが採用された。従来より大型化され、ダッシュボードとの一体感を高めている。

ウェルズ氏は「内装材の全体的な質感向上に取り組んでいる」と述べ、コノリーレザーの採用など、オプションラインナップの拡充を強調した。

こうした改良にもかかわらず、ヴェルティージュの乾燥重量は860kgと、主要な競合車種よりも著しく軽量だ。アルピーヌA110は1103kg、ポルシェ718ケイマンは1335kg、ロータスエミーラV6は1446kgである。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    役職:編集アシスタント
    2022年よりAUTOCARに加わり、ニュースデスクの一員として、新車発表や業界イベントの報道において重要な役割を担っている。印刷版やオンライン版の記事を執筆し、暇さえあればフィアット・パンダ100HP の故障について愚痴をこぼしている。産業界や社会問題に関するテーマを得意とする。これまで運転した中で最高のクルマはアルピーヌ A110 GTだが、自分には手が出せない価格であることが唯一の不満。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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