新型BMW 3シリーズ 試作車に試乗 「最高のハンドリング」称号ゆずらず

公開 : 2018.08.17 10:50  更新 : 2018.08.20 18:22

エントリーモデルには疑問 大いなる期待

では、今回の結論はどのようなものだろう?

英国では多くが選択し7年以上を共に過ごすことになる、ガソリンとディーゼルのエントリーモデルに関しては、お勧めモデルだというのは難しいだろう。

一方で、多くの期待もある。3シリーズというのは、クラス最高のドライバーズカーを作ろうと考え、実際にそれを実行してきた、負けず嫌いなひとびとが創り出してきたモデルであり、今回明らかとなったのは、2019年登場予定のこの新型3シリーズは、低速における俊敏さと、高速での安定性、ボディコントロール、トラクション、さらにはドライバビリティとを注意深く磨き上げることで、例えハードに走らせても、安心して、疲労を感じることなくその能力を発揮できるモデルだということだ。

公道でもサーキットでも、明らかなグリップレベルの高さ、ハンドリングの正確性とその落ち着きは、まさに「パフォーマンスカー」の名に相応しく、他の中庸なモデルから乗り換える多くのひとびとを驚かせることだろう。そして、例えドライバーとの繋がりに関して新型3シリーズを凌ぐモデルが存在したとしても、これほどのエグゼクティブサルーンは他にない。

安心するには早いかも知れないが、その片鱗はすでに見えている。必要に迫られさえすれば、新型3シリーズは再びその素晴らしい能力を発揮することだろう。

番外編:新型3シリーズのツインレート式パッシブダンパー

ある種のツインレート式パッシブダンパーというのは一般的なサスペンション技術であり、その多くが内部にもうひとつのオイルチャンバーを備えている。そして、そのほとんどが「周波数選択式」であり、路面不整の大きさではなく、不整の形状に応じて、ひとつのチャンバーから他のチャンバーへとオイルを送り出すスピードを変えることで、ダンパーの内部抵抗を変化させている。

しかし、新型3シリーズのパッシブサスペンションの場合、サスペンションストラットの可動領域の限界点(フロントは伸び側エンド、リアは縮み側エンド)まで、徐々にセッティングをより堅い状態へと変化させていく。

フロントでは、別の油圧系統によって制御されているダンパーピストンがセカンダリーリングを押し戻すことによって、リアでは、メインチャンバー最下部に設置されたコーン型リストリクターに抗ってピストンが上昇することで、内部抵抗を変化させるのだ。

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