ドライバーズカー選手権2018(3) ポルシェ911 GT3 RS、まさかの敗退

公開 : 2018.11.24 17:10  更新 : 2018.12.04 15:14


フェラーリ488ピスタか、マクラーレン600LT

こうなると、コンテストの最終結果は、フェラーリ488ピスタとなりそうだ。優れたパフォーマンスレベルを、運転しているほとんどの時間で味わえることに、喜びを感じるはず。停止状態から初めてスロットルを踏み込み、変速の僅かな時間を挟んで、2回目のやや長い加速を味わう。精神的な集中力を保つ上でも、そのわずかな「間」は必要なものにさえ思える。

ピスタは、怪物のように圧倒するほど速い。暴力的な加速感は、ナンバープレート付きのクルマとはにわかに信じがたい。クルマの加速というより、F35戦闘機の加速に近いとさえ感じてしまう。アンドリュー・フランケルはそのスピードを「極致」だといい、マット・バードは「理屈抜きに強烈で、この世のものとは思えません」と話すほど。

一方でダン・プロッサーは、部屋の中に閉じ込められたアフリカ象のように「もはや一般道で解き放つのが難しいほどのパフォーマンスに到達しています」とまとめていた。720psものパワーのクルマを走らせることにリスクを感じることは当然。また、ここまでドラマチックで豊かなトルクに満ち溢れたパワーデリバリーを持ち、限界が測り知れないフェラーリは初めてだとも、話していた。

フェラーリは以前から、シフトアップするごとに、トルクを強く感じられるようにECUを設定していると話していたが、488ピスタはそれを実感できる初めてのフェラーリでもある。ただ状況によっては、中回転域のピックアップに優れるため、シフトダウンした際に、若干もたつく印象を受けることもある。また、2速から3速へとシフトアップする時は、スロットルから足を緩める必要もないため、突然別のエンジンに付き変わったかのような感覚すらある。信じられないことに。

乗り心地は、想像以上に柔軟で洗練されている。コーナーの曲率を選ばないほど正確性が高く、勇気さえあれば、どんなスピードでも許されてしまいそうだ。ドライビングポジションも、世界トップクラスに優れ、開けた前方視界で路面もしっかり捉えることができる。

フェラーリのエンジンサウンドは遥かに刺激的。マクラーレンのV8エンジンの方が回りたがる印象だが、レスポンスやトルク感、サウンドの魅力など、マラネロ製のエンジンとは直接比較できるものではないというのが、テスターたちの意見だった。

4/4回に続く。

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