少ないリソースで優れた成果 ジャガーEタイプ & ロータス・エラン『+2』モデル(2) 近年は安価な入門モデルとして人気

公開 : 2026.06.21 17:50

美しいクーペボディを拡大し、後席が追加されたジャガーEタイプ 2+2 とロータス・エラン +2。走りへの影響は最小限に、巧妙な設計で商業的な成功を導きました。UK編集部が2台の魅力へ迫ります。

最高出力が127psへ強化された+2S 130

ロータスエラン +2の車重は946kgと軽く、二重曲面を採用したドアガラスは、電動で開閉できた。滑らかなボディが貢献し、空気抵抗係数のCd値は0.30と小さい。

1970年に、より上質な内装を備え、防音性を高めた+2Sへアップデート。1971年2月には、シルバーのルーフで差別化された、ビッグバルブ・エンジンの+2S 130が登場している。1972年からは、5速MTも選べるようになった。

ロータス エラン +2S 130/5(1967~1974年/英国仕様)
ロータス エラン +2S 130/5(1967~1974年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

130という数字は、大径の吸排気バルブとハイリフトカム、10.3:1の高圧縮比によって上昇した、最高出力の127psを切り上げたもの。技術者のトニー・ラッド氏による改良で、ドライブシャフトとファイナルドライブ・ケースも強化されている。

1974年末までに、エラン +2シリーズは5244台が提供された。ロータスとしては大きい台数だが、ジャガーEタイプ 2+2より遥かに少ないことは事実だ。

前席空間の拡張へ効果的な膨らんだボディ

今回ご登場願った、ライトブルーのEタイプ S1 4.2 2+2は、ジョン・ラブ氏が5年前に購入したもの。彼は身長が188cmある妻と、大型犬のために、広いボディを持つEタイプを以前から探していたらしい。

全長の半分はあろうかというボンネットを立ち上げると、4.2L直列6気筒の名機、XKエンジンが姿を表す。カムカバーは磨き上げられ、3連SUキャブレターが美しく輝き、アイドリング時からスムーズな響きを奏でる。

ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966~1971年/英国仕様)
ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966~1971年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

幅の広いサイドシルを跨ぎ運転席へ座ると、膨らんだボディは前席空間の拡張へ効果的だとわかる。レザーシートは、サルーンのように快適。リアシートを倒せば、大きな犬も問題なく過ごせそうだ。

運転姿勢は、背もたれが起き気味でも自然。ウッドリムのステアリングホイールは大径だが、低速域から軽く、反応は素晴らしい。僅かなアンダーステアは、アクセルペダルの角度でリカバーできる。リムを握る手のひらへ、好ましいフィードバックが伝わる。

印象的な乗り心地と4000rpmから興奮の速度上昇

シフトレバーとクラッチペダルは、やや重め。ブレーキペダルは、優しく傾けるだけで充分に速度が落ちる。タイヤのサイドウォールが厚く、ストロークの長いサスペンションがしなやかに動き、乗り心地は印象的。傷んだ路面も、取るに足りない。

舗装の剥がれた穴を通過しても、タイヤとステアリングホイールが僅かに揺れる程度。路面へ、ボディがしなやかに追従する。

ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966~1971年/英国仕様)
ジャガーEタイプ S1 4.2 2+2 (1966~1971年/英国仕様)    ジョン・ブラッドショー(John Bradshaw)

ハイカムと大径バルブで強化されたEタイプ 2+2は、低域で逞しく、力強く加速する。4000rpmからノーズを持ち上げ、興奮を誘う速度上昇を引き出せる。4速の上に、もう1段ギアがあっても軽々と吹け上がるだろう。もちろん、4速のまま巡航も余裕だ。

とはいえ、エラン +2はそれ以上に爽快。ロータス・マニアには、ひと回り大きいこちらの方が、機敏な操縦性を堪能できると評価する人も多い。スタイリングは、Eタイプ 2+2より美しく筆者には映る。1960年代の英国製クーペでは、1番かもしれない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーティン・バックリー

    Martin Buckley

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジョン・ブラッドショー

    John Bradshaw

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

ジャガーEタイプ & ロータス・エラン『+2』モデルの前後関係

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