英国ではオールシーズン・タイヤが標準

過度に軽く、フロントタイヤとのコミュニケーションが希薄なステアリング・フィールのおかげで、スタビリティに対する信頼感もほどほど。どのドライビングモードを選んでも、ドライバビリティに大きな変化はない。いずれのマイナスポイントも、常に気になるほど酷いわけではない。

新車価格9万ポンド（1305万円）で、700psを超えるパワーを備えるモデルは珍しい。評価が分かれる現代のスーパーSUVカテゴリーの中でも、グランドチェロキー・トラックホークほどSUVらしい佇まいで、控えめなデザインをまとったモデルは存在しないと思う。だからといって、運転したいかどうかは別の話だけれど。

潜在的なオーナー予備軍に対して、今の段階で明確にいえる忠告はタイヤに関して。今回われわれが試乗したのはイタリア仕向の左ハンドル車で、ピレリPゼロ・タイヤを履いていたのだが、残念ながら英国では異なる。英国の場合は、オールシーズン・タイヤが標準装備となるそうだ。

710psのパワーに2429kgのウェイトを持つクルマが、スーパーカーのペースで走ったら、オールシーズン・タイヤのブロックは砕かれるに違いない。そもそも、このクルマの場合、最もホットなシーズンしか似合わないと思う。また乾燥路であっても、オールシーズン・タイヤは横方向のグリップと安定性で劣るから、ハンドリングの面でも心配が残る。

すべての画像をみる　全21枚