スズキ・ジムニー クリスマスツリーを運ぶ旅 スコットランドからロンドンまで

公開 : 2018.12.24 07:40

時が来りて、ひとりの男現る

そして、時が来りて、イアンという名の男が現れた。ハイランド・オール・テレイン(4x4toursscotland. Com)のオーナーである彼以上に、今回の任務の始まりを託すに相応しい人物はいないだろう。

元樹木医であり、いまはスコットランドでオフロードレッスンとツアーを主催しているイアン・ブラウンは、われわれをケアンゴームズ国立公園のキンロック・ラガンにある拠点から、ロンドンへと持ち帰るクリスマスツリーを探すために山中へと連れ出した。

彼のランドローバーディフェンダー110に続いて、舗装路から砂利敷きの道へ踏み込むと、2台のコンボイは、背の高い常緑樹や苔むした崖、明るいオレンジ色をした枯れ葉のなかを進んでいった。

やがて緑が少なくなり、雪化粧をしたムンロ山系に囲まれたラガン湖が姿を見せると、湖岸の小さな砂浜へと乗り入れるべく、初めて四輪駆動モードを選択することにした。


それまで1.5ℓ4気筒エンジンが紡ぎ出す101psのパワーと13.1kg-mのトルクは、後輪だけに伝えられていたが、機械式トランスファーレバーを2Hから4Hへとシフトすると、前輪にも駆動力が伝達され、スズキのAll Grip Proシステムがフロントのエアハブを電気的にロックし、タイヤの空転を防いでくれる。

突然現れたローム層でやや滑るような挙動を感じたが、前後50:50のトルク配分とLSDのような効果を発揮するブレーキ制御のお陰で、ジムニーのわずか1405mmしかないトレッドで路面中心が盛り上がった悪路を進むほうが困難なチャレンジとなった。

丘を上り、獣道を越えて秋色に色づいた広大で凍てついたドラムリンと呼ばれる氷河の堆積物によって形作られた丘状地形へと入っていった。

キネティックイエローのボディカラーは非常に目立つものの、このクルマにはこうした場所こそが相応しく、ブーツで運転し、ボディやキャビンが汚れてもまったく気にする必要などない。

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