黄金期の再来のように売れたミドシップ お値打ちオープンカー12選(9) MGF 低予算で楽しめる奥深いカーライフ 

公開 : 2026.08.29 17:55

外界に響く排気音と心地良い風に包まれながらのオープンドライブは、比類ない喜びがあります。6000ポンド(約129万円)で常用に耐える、お手頃&魅力的なオープンカー12台をUK編集部が選出しました。

黄金期の再来のように良く売れた「MGF」

1995年に颯爽と登場したのが、個性的で扱いやすい、ミドシップのMGF。設定された塗装色は鮮やかで、ボルケーノ・オレンジやブリティッシュ・グリーンの他、今回の例のようにフレイム・レッドも選択できた。MG黄金期の再来のように、良く売れた。

サスペンションは、独創的な技術といえたハイドラガス。インテリアは、クラスを忘れるほど上質だった。この内容で、英国価格は1万5995ポンドから。ハイスペックなVVC仕様なら、レブリミットは7200rpm。刺激的なサウンドを、変速の度に堪能できた。

MGF(1995~2002年/英国仕様)
MGF(1995~2002年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

こんな魅力的なブリティッシュ・ロードスターを、今なら設定予算で問題なく探せる。フィアットバルケッタの半額といえ、価格価値の良さは抜群。生産数は7万7269台と多く、英国の路上にはまだ多くのMGFが走っていることも心強い。

純粋な初期型から、装備が充実した1999年以降の後期型まで、内容は様々。スタイリングが現代的に一新された、2002年以降のMG TFも悪くないチョイスだろう。

走りが見違えたハイドラガスの再充填

「自分が買った頃は、値段が高すぎると話した友人もいましたね」と振り返るのは、2019年にVVC仕様を4000ポンドで手に入れた、デニス・チック氏。生粋のローバーマニアで、サルーンのP6や75も所有するそうだ。

「でも新車時の数分の1の費用で、新車へ近い体験を楽しめるクルマだと思いましたよ。必要だった整備は、ハイドラガス・サス用のスフィアに窒素ガスを再充填したことくらい。まるで別物のように、走りが見違えました」

MGF(1995~2002年/英国仕様)
MGF(1995~2002年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

「MGFの開発予算は極めて限られていましたが、見事に達成したデザイナーや技術者には脱帽です。購入したら、オーナーズクラブへの参加をオススメします。技術的なアドバイスを受けられますし、同士たちと交流する機会も沢山ありますから」

低予算で楽しめる奥深いカーライフ

チックが選んだVVC仕様で注目すべきは、その名の通り可変バルブタイミング。Kシリーズ・エンジンの最高出力は、通常の116psから145psへ上昇している。ホンダのVTECユニットへ迫る変化はないものの、5000rpm以上では確かに鋭くなる。

標準のエンジンでも、アクセルレスポンスはシャープ。排気音は、乗り手の気持ちを刺激する。5速MTの変速感も、驚くほど滑らかだ。マツダ・ロードスターよりアンダーステア傾向だが、路面を問わず安定性も優れる。

MGF(1995~2002年/英国仕様)
MGF(1995~2002年/英国仕様)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

乗り心地は、ハイドラガス・サスペンションの効果で驚くほど快適。ギア比が長い5速MTと、座面は少々高めながら座り心地の良いシート、ミドシップながら驚くほど広い荷室を備え、ロングドライブとの親和性も非常に高い。

アフターマーケット・パーツも充実し、自分の好みでシートポジションを下げることも、パワーを上げることも難しくない。サーキットでの走行会から、カーミーティングへの出展まで、奥深いカーライフを楽しめるはず。しかも、低予算で。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アーロン・マッケイ

    Aaron McKay

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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