ジープ・コンパス e-ハイブリッド(2) 凛々しいスタイリングの頼れるコンパクトSUV 常用域で好印象なパワートレインで、これまで以上の競争力

公開 : 2026.08.28 18:10

ジープ・コンパスが、ブランドイメージを柔軟に活かした3代目へ進化。完全な電動かハイブリッドを選べる動力源や使い勝手を重視した車内デザインなど、先代以上に頼れるSUVだと、UK編集部は評価します。

1.2L 3気筒ガソリンのマイルドHVは146ps

3代目へ一新し、バッテリーEV版も選べるようになったジープ・コンパス。213psのシングルモーター仕様は、0-100km/h加速8.5秒が主張される。車重が2.2tあるため、そこまで鋭いダッシュ力とはいえないものの、ハイブリッド版より速い。

EVだから、パワートレインは静かで滑らか。ステアリングホイール裏のパドルで回生ブレーキを調整でき、ワンペダルドライブにも対応する。航続距離や予算、充電環境が許すなら、訴求力は高いといえる。

ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)
ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)

それでも、英国での主力はハイブリッドだろう。1.2L 3気筒ガソリンターボに電圧48Vの電動アシストが組まれたマイルド「e-ハイブリッド」は、総合146ps。出だしに僅かなひと呼吸はあるが、0-100km/h加速10.0秒とまずまずの動力性能を備える。

駆動用バッテリーの容量は0.9kWhと小さく、モーターは28psだから、電気だけで走れる能力は限られる。もう少し余裕があれば、より望ましい。アクセルやブレーキペダルの反応は、一貫性にやや乏しく思えた。

パワートレインの洗練度は高める余地あり

1.6Lガソリンエンジンのプラグインハイブリッドは、総合で226ps。0-100km/h加速は8.0秒で、電気だけで最長80km走れると主張される。ただし、数字ほどの力強さは感じにくい。4気筒エンジンが少し耳障りなノイズを発することが、その一因だろう。

駆動用モーターへの切り替わりは滑らかながら、動作音は大きめ。7速ATデュアルクラッチATの変速は稀に遅く感じられ、変速ショックも伴う場面があった。日常的な環境なら好印象ながら、全体的にパワートレインの洗練度は高める余地がある。

ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)
ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)

ステアリングは軽く回せ、タイヤは燃費重視のミシュランe-プライマシー。積極的にカーブへ飛び込もうという気にはなりにくいが、レシオはクイックすぎず、狙い通りにコンパスの向きを変えていける。

限界が迫ると、穏やかなアンダーステア。もっと優しい気持ちで運転して欲しいと、シャシーが訴えてくる。

少し硬めの乗り心地に良好な燃費

乗り心地は、ハイブリッド版では硬めに感じた。高速域での姿勢制御は良好な反面、鋭い入力へ反発するような落ち着きのなさが伴う。減衰力を少し弱めてもいいのかも。

他方、500kgほど車重が増えるEV版では、僅かな緩さを感じる。カーブが連続する区間では、ボディを安定させるのに手を焼く場面も見られるが、乗り心地は概ね優れる。

ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)
ジープ・コンパス e-ハイブリッド・アルティチュード(英国仕様)

電費は、現実的な環境で5.1-5.6km/kWhといったところ。74.0kWhの駆動用バッテリーで、370kmから420km程は走れると考えていい。

e-ハイブリッドの燃費は、15.9km/Lと悪くない。ステランティス・グループのパワートレインだから、想定の範囲でもあるが。プラグインハイブリッドは、エンジンの出番が多くなるほど積極的に走らせて、16.3km/Lが示されていた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 執筆

    ジェームス・ディスデイル

    James Disdale

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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