お値打ちオープンカー12選(7) ホンダ・ビート すばしっこさはラジコンカー級 3分の2サイズでも出色の操縦性

公開 : 2026.08.29 17:45

外界に響く排気音と心地良い風に包まれながらのオープンドライブは、比類ない喜びがあります。6000ポンド(約129万円)で常用に耐える、お手頃&魅力的なオープンカー12台をUK編集部が選出しました。

出色の操縦性を実現した軽自動車の「ホンダ・ビート

今回の12台の中で、圧倒的に小さいホンダ・ビート。軽自動車規格の、日本車らしいスポーツカーだ。スーパーカーを縮小したような姿もさることながら、軽快なステアリングと高回転型エンジン、最高のシフトフィールで、出色の操縦性を実現している。

高速道路で、長距離旅行をするのには向いていない。しかし、6000ポンド(約129万円)以下という設定予算で堪能できる走りでは、ベストの1つに加えられる。

ホンダ・ビート(1991〜1996年/並行輸入車)
ホンダ・ビート(1991〜1996年/並行輸入車)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

エンジンは656ccで、これも今回の最小だが、サウンドは最も意欲的。80km/hへ加速すれば、ミツバチの群れに包囲されたような「ビート」が耳を刺激する。ファミリーカーなら雑味なだけだが、小さなオープンカーなら楽しさを盛り上げるスパイスだ。

1ccも無駄なく燃やされるガソリン

多くの軽自動車がターボを採用した中で、3気筒のツインカムは往年のホンダらしく自然吸気。気筒毎に独立したスロットルボディを備え、9000rpmまでストレスなし。ガソリンを1ccも無駄にすることなく燃やし、特別な体験へ結びつけている。

64psを発揮する、そのエンジンの位置はゼブラ柄シートの後方。初代NSXの登場は1990年だが、翌年に発売されたビートも、ミドシップ・レイアウトを採用していた。サスペンションは、小さくまとまるマクファーソン・ストラット式が選ばれている。

ホンダ・ビート(1991〜1996年/並行輸入車)
ホンダ・ビート(1991〜1996年/並行輸入車)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

コクピットは広いわけではないものの、高身長の大人でも頭が飛び出ることはない。補機バッテリーが間借りする荷室は、殆どないに等しいが、車重は759kgと軽い。まるでラジコンカーのように、テストコースをすばしっこく駆け回れる。

運転の楽しさはまったく縮小していない

ステアリングはダイレクトに反応し、手のひらには路面状況が鮮明に伝わる。サスペンションはしなやかに動き、僅かなボディロールを許す。決して高速なわけではないものの、その重心移動と、小気味良く変速できる5速MTが、スピード感を増長する。

正規販売されたのは日本のみだったが、楽しさに気付いた少なくない英国人が、並行輸入している。パワーウインドウとエアコンは標準装備で、アルミホイールと高音質ステレオはオプション。LSDとABSが備わる後期のPP1-110型は、取引価格がお高めだ。

ホンダ・ビート(1991〜1996年/並行輸入車)
ホンダ・ビート(1991〜1996年/並行輸入車)    マックス・エドレストン(Max Edleston)

望ましい状態の1台が見つかったら、筆者は即決するに違いない。ボディサイズは3分の2かもしれないが、運転の楽しさはまったく縮小していない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

お値打ちオープンカー12選の前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

おすすめ記事

 

Google検索で『AUTOCAR JAPAN』の記事を見つけやすくする方法