オープン4WDスポーツ対決 R8 vs 911 911改良の成果は 回顧録

公開 : 2019.01.01 07:10

前モデルより20ps増しに

ただ、後者については見極めに少々手間がかかるかもしれない。というのも、ターボ・カブリオレの外見はすでにお馴染みのものだが(外観上の変化は前後ライトとミラーとホイール程度)、その内側はかなり大幅な変更を受けており、それも単により速くなっただけではなく、より楽しめるクルマにもなっているからだ。

心臓部は最新の燃料直接噴射式3.8ℓに2基のターボを追加した水平対向6気筒で、前モデルより20ps増しの500psを発生するようになった。加えてオプションで新たにPTV(ポルシェ・トルク・ベクタリング)が用意され、スポーツクロノパッケージを選択すればダイナミックエンジンマウントも付いてくる。

ターボ系が2010年モデルへと切り替わった際にもっとも改善されたのがカブリオレだと言われているが、まだ新型のクーペに乗っていないわたしには、その真偽を判断する資格はない。だが、少なくとも旧型のカブリオレに試乗した経験はあり、それに照らし合わせた限りでは、今回の新型が以前とはまったく別のクルマに進化していると疑問の余地なく断言することができる。

もちろん、クーペに比べれば多少の妥協が残るのは当然ではあるが、今回はその差はごく小さく、「ターボ」というエースの名を辱めるような不出来は一切ない。ルーフが開閉するかどうかにかかわらず、これより速く公道を疾走するクルマを想像するのはかなりむずかしい。たとえ525psのV10エンジンをミドに搭載するスーパーカーをもってしても、それは容易ではないはずだ。

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