三つ巴スーパースポーツ対決 911ターボとライバルたち 前編 回顧録

公開 : 2018.11.03 07:40

以前のテストでGT-Rに苦杯を喫した911ターボが、自らの威厳を取り戻すべくリベンジに打って出ました。今回は宿敵GT-Rに加え、R8 V10も交えて三つ巴の決戦の火蓋が切られました。まずはサーキットに迎う公道での走りをテストします。

もくじ

911ターボのリベンジ
車格の違いを見せつけられるか
第三の選択肢、アウディR8 V10
皮膚感覚で操れる911
日常の相棒となる1台は?
動力性能に大きな差なし
公道での順位は確定

911ターボのリベンジ

日産GT-Rポルシェ911ターボとの遺恨試合はまだ終わったわけではない。日産が2007年末にGT-Rの最新モデルを全世界に向けて発表してからは、911ターボは走りの絶対的性能において2位という順位に甘んじることになった。これがポルシェにとっては到底受け入れがたい屈辱的な結果であったことはいうまでもない。

だが旧型の911ターボよりはるかにGT-Rのほうが見事な走りを披露してくれた事実は動かしようがなかった。ニュルブルクリンクのラップタイムでもストレートの加速でもGT-Rは速く、そしてトランスミッションの性能は圧倒的に優れており、何よりもA地点からB地点へ移動するマシンとして、掛け値なしに優れたクルマであったのだ。

そして忘れてならないのが圧倒的にGT-Rは911ターボより安いプライスであるという事実だ。実際、この日本車が911に及ばなかったものがもし唯一あったとすれば、それはブランドとエンブレムの魅力だけだったわけで、しかもそれすら、英国での実売価格がほぼ半額という事実の前では簡単にひっくり返すことができた。

つまり結論はこうだった。911ターボはGT-Rよりもはるかに高額でしかも速さに劣っており、それを日産は公然と旗印に掲げ、実際にGT-Rは勝負によって実証したわけである。

しかしこの話には続きがある。GT-Rが日本で発売されてから2年が経過したが、その間に日産はこのクルマを英国向けに輸出するにあたり、この国の市場に合わせて細かいアップデートとリファインを施してきた。

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