ロードテスト アウディQ8 ★★★★★★★★☆☆

公開 : 2019.01.06 11:10

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

走り ★★★★★★★☆☆☆

この大柄なQ8に組み合わされるのは、控えめなディーゼルエンジン。運動性能に気になる部分があったとしても、大型のSUVとして穏やかに走る洗練性を備えている限り、購入者は大きな不満を感じることはないのかもしれない。

今回のQ8に装備されていた、オプションの2重ガラス窓のおかげで、112km/hでの走行中の車内ノイズは、メルセデス・ベンツSクラスより僅かに騒がしい程度。22インチの大径ホイールを装備していたが、消音機能付きのタイヤが装備されていたから、その効果も多少はあるはず。ひときわ高い着座位置に贅沢な車内が組み合わさり、その仕上がりは豊かさに溢れたものだ。

3.0ℓのV6ディーゼルエンジンが存在感を高めてくるのは、回転数が3000rpmを超え始める頃から。ボディが大きいだけに、エンジンは遥か彼方に位置しているように感じる。Q8の長距離移動は燃費の面でも支えられており、われわれのテストで高速走行時のツーリングでは14.1km/ℓを記録している。ガソリンタンクの容量は75ℓだから、航続可能距離は1062kmにも達することになる。

電圧48Vのマイルド・ハイブリッドシステムも組み合わされ、48km/hから161km/hでの低負荷走行時には、エンジンは完全に停止。ブレーキング時には回生機能も働くが、コントロールは非常に優れており、ドライバーが意識することは殆どないと思う。

112km/hからのフルブレーキングでは、フロントに10ポッドの大きなキャリパーを備えているのにも関わらず、最新のポルシェカイエン・ターボには及んでいない。また同じスムーズなエンジンを積み、車重が軽量なA8とは異なって、Q8の動力性能の面での満足感は乏しい。

われわれの計測では、ガソリンが満タンの状態での車重は2285kg。このクラスでは、スポーティな味付けではないクルマも含めて、最も重量がかさんでいる。この重量に立ち向かうのは、286psの最大出力と61.1kg-mの最大トルク。0-96km/h加速の時間は6.9秒で、48km/hから112km/hの追い越しk速では6.7秒を要している。

この数字はレンジローバー・スポーツTDV6を打ち負かすには充分な速さではあるが、2015年にテストした、3.0ℓのTDIエンジンを搭載したQ7の方が、パワーでは劣るものの俊足だった。最新のホットハッチ並に速いSUVをお探しなら、より強力なガソリンエンジンを搭載したモデルか、プラグイン・ハイブリッドの登場を待った方が良いだろう。しかし、この50DTIエンジンでも充分クラス平均の運動性能は得られており、多くの人にとっては、不満を抱かないとは思う。

指摘する点といえば、1900rpm以下でトルクがやや不足していることと、8速ATのキックダウンの反応が鈍いところ。この部分は、改善されることを期待したい。

テストコース:乾燥

フロントタイヤとステアリングを握る手とのコミュニケーションが希薄で曖昧な点は、他のアウディのクルマと共通。ミルブック自動車試験場の丘陵ルートを活発に走らせても、印象に残るドライビングだとはいえなかった。

もちろん、アウディ自慢の四輪駆動、クワトロシステムのおかげで、きついコーナーから一気に加速しても不足のないトラクションが確保されている。ただし、ボディが沈みキャンバー角が急激に変化するような場面では、やや安定性に影響も及んでいた。

テスト車両に装備されていたオプションの四輪操舵システムは、特にタイトなコーナーでの機敏性を高めている。最もスポーティなドライブモードにしておけば、ボディーロールはしっかり抑制され、クルマの挙動も漸進的で充分に予測可能な範囲に収まっている。スタビリティ・コントロールシステムは、過度に荷重移動が生じた場合や、コーナーへの進入速度が早すぎた場合などで急に介入してくるが、それ以外の場面では特に邪魔に感じることはない。

T1セクションのハイライトともいえる、タイトコーナーでのボディコントロール性は秀逸だった。荷重移動は明確に感じられるものの、バランスを失うということはない。T2セクションのヘアピンでは、四輪操舵システムのおかげでクルマがひと回り小さくなったような感覚があった。T5の勾配が変化するコーナーでは、雑な印象はなかったものの、ESPの介入が生じている。

発進加速

アウディQ8 50 TDI Sライン
テスト条件:乾燥/気温22℃
0-402m発進加速:15.4秒(到達速度:147.0km/h)
0-1000m発進加速:28.2秒(到達速度:186.3km/h)
48km/h-112km/h加速/4速:6.9秒

レンジローバー・スポーツTDV6(2013年)
テスト条件:乾燥/気温13℃
0-402m発進加速:16.0秒(到達速度:125.6km/h)
0-1000m発進加速:29.4秒(到達速度:182.6km/h)
48km/h-112km/h加速/4速: 7 .9秒

制動距離

アウディQ8 50 TDI Sライン
テスト条件:湿潤/気温8℃
97-0km/h制動時間:2.81秒

レンジローバー・スポーツTDV6(2013年)
テスト条件:乾燥/気温13℃

 

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