ロードテスト フォルクスワーゲン・トゥアレグ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2018.10.14 16:10  更新 : 2018.10.14 20:32

4輪駆動のSUVモデルが、フォルクスワーゲンのフラッグシップモデルとなる時代。中国を意識した3代目となるトゥアレグですが、世界最大の自動車ブランドの旗艦として牽引するのに充分な完成度なのか、確かめます。

もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
内装 ★★★★★★★★☆☆
走り ★★★★★★★☆☆☆
使い勝手 ★★★★★★★☆☆☆
乗り味 ★★★★★★★☆☆☆
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
スペック
結論 ★★★★★★★☆☆☆

はじめに

読者ならお気づきかとは思うが、フォルクスワーゲン・フェートンはもはや販売されていない。ベントレーと共有する6ℓのW12気筒エンジンを搭載した象徴的なモデルは、1世代限りとなった。2016年にモデルラインナップから外れたのだが、購入者は極めて限定的で、クルマの希少性は今後上がるだろう。

そして、今回のロードテストで扱うのは、世界最大の自動車メーカーのフラッグシップ・モデルへと格上げされることになったクルマ。3代目となるトゥアレグは、デザインとテクノロジーにおいて、フォルクスワーゲンの最高水準を得ていると、メーカーは主張する。

技術に関していえば、納得の内容だといえる。何しろ、このSUVのシャシーはポルシェのものと共用し、ドライブトレインの主要な部分はランボルギーニにも使われているもの。さらに、サスペンションはベントレー、半自律走行システムはアウディと共有するのだから。車内には、イノビジョン・コクピットと呼ばれるインフォテインメントシステムが備わり、メータークラスターには12インチモニターが、ダッシュボードにはテスラ風の15インチモニターが広がっている。

初代トゥアレグが登場してから16年目となる、新しいモデルで最も注目するべき点は、ヨーロッパではなく、中国を意識したスタイルをまとっている点だろう。理由はわかりやすい。世界的規模で見た場合、SUVの半数近くの台数を販売する、巨大市場なのだから。

ヨーロッパ仕様にはブラック仕上げのオプションが準備されているが、クロームメッキ・パーツが多く用いられ、デザイナーが強く意識する「全長5mの壁」を超えた、先代を超える巨大なボディを持っている。

われわれが真っ先に予想したとおり、3代目トゥアレグにはローレンジ・ギアを選択できなくなった。そもそも、従来モデルでは、その需要は5%にも満たなかったらしい。

内容を見る限り、かなり魅力的なクルマに思える。しかし、ラグジュアリーさではアウディQ7、ダイナミック性能ではBMW X5、ライフスタイルのオシャレ感でいうとボルボXC90などと競い合わなければならない。その準備は整っているのだろうか?

 

意匠と技術 ▶ 内装 ▶ 走り ▶ 使い勝手 ▶ 乗り味 ▶ 購入と維持 ▶ スペック ▶ 結論

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