試乗 メルセデス-AMG C43クーペ フェイスリフト ハンサムなGT

公開 : 2019.01.28 10:10  更新 : 2021.01.30 21:40


どんな感じ?

刺激の足りないドライビング感覚

C43は、メルセデス-AMGというブランドが多様化していることを示す、わかりやすい例だと思う。排気音はC63よりも明らかに静かで、コンパクトなスポーツカーというより、グランドツアラー的な性格を感じる。クルマの味付けとしては、フル装備のメルセデス-AMG C63よりも、どちらかといえば標準モデルのCクラス・クーペの方に近いといえるだろう。

乗り心地の面では、非常に洗練され、ほとんどの場面で快適そのもの。ドライブモードにはいくつかの設定が備わり、コンフォートモードからスポーツモードへ変更すれば、足回りは締まりレスポンスも高まる。しかし、路面状況に大きく影響を受けることもなく、基本的な快適性は損なわれることはない。従来のAMGのエンブレムを付けたクルマとは一線を画す快適さを備えている。

ただし、秀でた乗り心地のトレードオフとして、ハンドリングの面では期待するほどの刺激は得られない。そもそもグリップ力に不足はなく、ボディコントロールも優れてはいる。高速域でも安定性が高く、シャシーの挙動も予測できる安心感があるのだが、積極的に運転を楽しめるという種類のものではない。

例えるなら、「C」の後に続く数字は、ドライビング時の心拍数を表していると考えると、わかりやすいだろうか。63ほど早まることもなく、通常の心拍数のまま、スムーズにコーナーを抜けていく感覚だ。

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