幻のセレニッシマ、3台を解説 スパイダーは5億円超え アールキュリアル・オークション

公開 : 2019.02.21 06:10  更新 : 2020.12.08 18:08

幻のセレニッシマが、3台もオークションに出品。初めて目にする方が多いだけに、スパイダーの落札額は5億円超えました。詳しく解説しましょう。

text: Kazuhide Ueno(上野和秀) photo: ARTCURIAL MOTORCAR

もくじ

スクーデリア・セレニッシマとは
セレニッシマ・スパイダー
セレニッシマ・アジェナ
セレニッシマ・ギアGT

スクーデリア・セレニッシマとは

イタリアの有力なプライベート・レーシング・チームとして1960年代初頭に活躍したのが、ジョヴァンニ・ヴォルピ伯爵が設立した「スクーデリア・セレニッシマ」だ。フェラーリ250GTブレッドバンや250TR61を駆り、素晴らしい結果を残している。

イタリア国旗の中央に地元ヴェネツィアを象徴する「有翼の獅子/Leone di Venezia」を配したチーム・ロゴは、目にした方もあろう。

こうしてフェラーリでスポーツカー/GTレースを闘ってきたが、1961年に勃発したフェラーリの社内反乱で、ヴォルピ伯爵は反隊勢力側を応援したことからエンツォ・フェラーリの逆鱗に触れ、注文していた250GTOがキャンセルされる事態になってしまう。

そこでヴォルピ伯爵は社内反乱でフェラーリを離れたF1マシン開発担当のカルロ・キティ、スポーツカーの開発責任者であるジオット・ビッザリーニ、そしてチームマネージャーだったロモロ・タヴァーニが起こしたATSを支援することにする。

フェラーリから販売を拒否された「スクーデリア・セレニッシマ」は自らマシンを製作。そこで協力を仰いだのが社内反乱でフェラーリを離れたスペシャリスト達だった。こうして最初のセレニッシマとしてベルリネッタの308/Vジェットが1964年に登場する。その後排気量を3ℓから3.5ℓに拡大した358/Vトルペードを送り出し、続いてボディを変更した358/Vユングルへ進化する。

まずは、アールキュリアル・レトロモビル・オークションで高額落札されたスパイダーを紹介しよう。

関連テーマ

おすすめ記事