新型に試乗 8代目992型 ポルシェ911カレラ4S 季節を問わぬ誘惑

公開 : 2019.03.26 10:50  更新 : 2019.03.26 11:17

どんな感じ?

パナメーラカイエンと共通のインテリア・テイスト

ドアを開ければ、まったく新しくなったシートが迎えてくれる。着座位置も5mm低められているが、すぐに気づくほどのものではないだろう。何しろポルシェが行った911のインテリアのアップデートを観察するだけでも充分に感銘を受けるだろうし、その仕上がりはとても素晴らしいのひとこと。しかしラグジュアリーという雰囲気でもない。セレブリティが楽しむ多くのスポーツカーとは、備えているフィロソフィーが異なっているから、表現として適していないとすぐに分かるだろう。

一新されたインテリアは、最新のパナメーラやカイエンと共通する、エッジの効いたデザインテイストをまとうようになり、オンボード・テクノロジーの飛躍も大きい。シートに腰掛けれて車内を眺めれば、高級で先進的なスポーツカーに座っている、ということを実感するに違いない。センターコンソールに並ぶスイッチ類やアナログとデジタルが融合したインスツルメントパネルなどのデザインは、大成功の仕上がりだと思う。

ポルシェ製の水平対向6気筒3.0ℓターボエンジンには、新しいインダクションとインジェクション、エグゾーストシステムが与えられた。先代のカレラSと比較して、最高出力と最大トルクを向上させつつ、レスポンスも良くなっているが、2ペダルの992のドライビングで最も大きな変化といえるのが、新しいトランスミッションの採用となる。

マニュアルモードでの操作では1段ギアが増えたことで、サーキットなどでの直感的な段数の選択に、少しなれが必要になったように感じられるかもしれない。しかし、エンジンのパワーバンドの広さとフレキシビリティが、その迷いを助けてくれる。3000rpmを超えた当たりから逞しさに磨きがかかり、5500rpmくらいまでは鮮明に力がみなぎる感覚が得られる。そして7000rpmめがけて、これ以上アップグレードの必要がないと感じるほどのパフォーマンスに浸ることができるのだ。

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