試乗 メルセデス-AMG GT Rプロ ニュルのタイム7秒カット 限定750台

公開 : 2019.04.10 11:20  更新 : 2019.04.10 15:25

モータースポーツで培った技術を集結

シャシー下面にはカーボンファイバー製のシアーパネルが取り付けられ、ボディのねじり剛性を8%向上。軽量なバケットシートに置き換えることで、2脚合わせて3.6kgを軽量化しているほか、ホイールとセラミックス製のブレーキディスクも、もちろん軽量なものが選ばれている。重量のかさむエンジンとトランスミッションは再調整を受けたダイナミック・マウントで固定され、サーキット走行時などでは慣性を減らすためにマウントの硬さが引き締まる。

これらを合わせると全体で40kgも体重を削っているが、欧州市場では標準装備されるAMGトラックパッケージにはロールケージや消化器、4点式ハーネスなどが追加されるため、実際には25kgの軽量化となっている。このメルセデス-AMG GT Rプロは、メルセデス-AMGがサーキットで培ってきた専門技術を集結させた量産モデルだといえるだろう。

そしてこのクルマの目的はただひとつ。ごく少数の裕福なオーナーがサーキットでの走行会、トラックデイに自走で赴き、数時間の至福の時間を味わうためだ。セッションの合間にピットでサスペンションの設定を調整して変化を楽しみ、日が暮れる頃に運転して自宅へと戻る素晴らしい週末こそ、このクルマの生まれた理想の日々。コレクターがエアコンの効いたガレージにしまっておくだけではもったいない。

ドライブトレインは基本的には標準のAMG GT Rと変わりはない。4ℓのツインターボV型8気筒エンジンを搭載し、最高出力は585psで最大トルクは71.2kg-m。トランスアクスル方式の7速ツインクラッチATを介して後輪を駆動する。メルセデス-AMGによれば、0-100km/h加速は3.6秒で、最高速度は318km/hに達するという。GT Rプロのホームグラウンド、サーキットが今回の試乗の舞台となる。

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