J・メイズ

傑作：アウディ・アヴス（1991年）

1990年にはアウディはハイパフォーマンス・モデルを設計するノウハウをしっかり蓄積していた。1980年代にはアウディ・スポーツ・クワトロがグループBを席巻していたのだから。しかし、イタリアンブランドを超えるスーパーカーを生み出すことはできるのか、という問いに挑戦したのが、アメリカ人デザイナーのJメイズ。

1930年代に、アウディの前身であるアウトウニオン社が生み出したアウトウニオン・レーシングカーがシルバーアローと呼ばれ、数多くのレースで優勝を飾っていた歴史を1991年のアヴスとして表現したといえる。低い車高にワイドなボディを持ち、当時のレーシングカーのデザインエレメントを借りることなく、シルバーアローに敬意を払ったスタイリングにまとめている。アルミニウム製のボディは重量を抑え、ミドシップされた6.0ℓW12気筒エンジンは502psを発生させていた。

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