試乗 アウディS6 ディーゼルのマイルドハイブリッド 0-100km/h5.0秒

公開 : 2019.06.10 10:10  更新 : 2019.06.10 10:47

アウディがハイパフォーマンス・サルーンに選択したのは、48Vによるマイルドハイブリッドと、V6ディーゼルエンジンという組合せ。ディーゼルの人気が下降傾向ながら、パフォーマンスは充分で、環境性能も悪くありません。しかし価格相応の訴求力は備わっているのでしょうか。アウディのお膝元、ドイツで評価しました。

もくじ

どんなクルマ?
スポーツサルーンにディーゼル・マイルドハイブリッド
どんな感じ?
0-100km/h加速5.0秒ながらWLTP複合燃費は12.8km/ℓ
まるでガソリンV8エンジンのような音響
コミット感は薄いもののクワトロらしい安定感
「買い」か?
ディーゼルエンジンをどう受け取るか
スペック
アウディS6のスペック

どんなクルマ?

スポーツサルーンにディーゼル・マイルドハイブリッド

Eセグメントに属するアウディの「6」に、新しいS6が追加された。新しく魅力的にリフレッシュされた4ドア・スポーツサルーンだが、先代からの明確な進歩という評価以上に、少し物議を醸し出しそうだ。新しいS6には、まったく新しいとはいえ、48Vの電圧で稼働するマイルド・ハイブリッドシステムに、ターボ過給される3.0ℓのV6ディーゼルエンジンが組み合わされているのだから。

ご存知のように、フォルクスワーゲン・グループによる不正問題、ディーゼルゲートや、排気ガスの健康被害懸念の報道などから、英国だけでなく各国で人気は減少している。特に浄化処理されずに大気中へ排気ガスとして撒き散らされるNOxを気にしているひとも多い。

そんな中でアウディが新しいS6にディーゼルエンジンを搭載したという事実は、とても興味深い。すでに多くの人から、信用を失ってしまったパワートレインを選択したとさえいえる。しかも、S6にはガソリンエンジンというオプションもない。今のところ。もちろん、一定の支持を受けて売れるとは思うが、成功するには試乗の流れを覆す必要があると思う。

アウディは世論の見方を改めるため、ディーゼルエンジンのメリットを強調している。実際、CO2の排出量はガソリンエンジンより少なく、排気ガスの浄化技術も大幅に向上してはいる。浄化システムによって濾されたディーゼルエンジンの排気ガスは、2019年の欧州での基準値だけでなく、2021年からのユーロ7の基準値よりも綺麗なのだという。加えて燃費も優れており、得られる航続距離の長さは多くのドライバーが歓迎するはずだ。

ちなみにS6は、ほぼ同時に発表されたS6アバントとS7スポーツバック、クロスオーバーのSQ5との関係性も深い。期待するS6らしさは残っているのだろうか。

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