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海外試乗

2019.06.08

マクラーレンF1 vs マクラーレン720S 比較試乗 伝説はいまも

マクラーレンF1/マクラーレン720S

文・アンドリュー・フランケル 

編集部より

マクラーレンF1のロードテストを行ったのは、25年前のことでしたが、当時の関係者は、いまもまるで昨日のことのように、このクルマのことを語ります。今回は、同じようなスペックを持つ現行マクラーレンとも比較し、改めてこの稀代のスーパーカーの存在意義に迫ります。

もくじ

XP5との再会
特別なロードテスト さまざまな制約
突然の衝撃 真のプロフェッショナリズム
感じたのは安堵 そして邂逅
蘇る記憶 驚異の加速
コーナーでも素晴らしく 驚くべき結果
マスターピース ある種の喜び
テスト車のスペック
番外編1:初めてのマクラーレンF1
番外編2:驚異のマクラーレンF1
番外編3:目撃者たち
番外編4:マクラーレンF1が残したもの

XP5との再会

当時と変わらず、マクラーレンF1は太陽の下でたたずんでいた。ちょうど25年前の今ごろ、英国版Autocarでは唯一といえる、このクルマでのロードテストを行ったのだ。

だが、いまそのカーボンファイバー製ボディに熱い視線を送っているのは、新たな時代のファンであり、彼らは、このクルマ独特のセンター配置のドライビングシートに、見事に乗り込む方法を見つけ出し、25年前の我々と同じような経験をしようというのだ(その結果は番外編でお届けしよう)。

これから起こることは並大抵の出来事ではない。なぜなら、マクラーレンF1は超希少なモデルであり、実際に創り出された公道仕様はわずか64台に留まるとともに、マクラーレンでは、日常的に使用されている車両の数は、その10%以下に留まるだろうとしている。つまり、全世界で6台、いや、5台程度しか存在しないということだ。

さらに、この車両はそうした1台ですらない。このクルマはマクラーレンが製作したF1のプロトタイプであり、最初に創り出されたXP1は、ナミビアの砂漠を舞台に行われた高温テストで完全に破壊され、クラッシュテスト用に製作されたXP2も同じ運命を辿っている。XP3とXP4はプライベートコレクションとして秘蔵されており、XP5と呼ばれたこの車両を最後に、XPシリーズがその役目を終えている。


しかも、このXP5が、まさにわれわれにとってのマクラーレンF1と言える存在でもあるのだ。当時、ロードテストには3台のF1(XP4、XP5とプロダクションモデルの003)が参加したが、このXP5とは数百マイルを共にしており、われわれの評価はこの車両に対してのものだった。

確かに、この車両が世界でもっとも価値あるF1というわけではなく、その栄誉は1995年のル・マンを制したF1 GTRのものだが、それでも、その評価額は2500万ポンド(34億1894万円)にも達しており、さらに、このXP5は、今回のために3年の眠りから目覚めたばかりでもあった。

ふたたび、このクルマのステアリングを握ることができるということに、言葉では言い表せないほどの気持ちの昂りを感じていた。その興奮は、F1を運転したことがない他のロードテスターよりも激しいものだったが、同時にこのクルマは、ある種、不思議な気持ちにもさせる。

 
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