V8を五感で体感 マクラーレン720Sスパイダーに試乗 性能はクーペと遜色なし

2019.07.05

720psと78.3kg-mのフェスティバル

カーボンファイバー製のルーフを開けてみる。空恐ろしいほど速く、徹底的に磨き込まれた姿とは別の、720Sの側面が見え始める。最も強くその違いを感じたいのなら、両サイドのガラスを全開にして、パワートレインをトラックモードに合わせると良い。短いエグゾーストからは7速デュアルクラッチ・トランスミッションをシフトダウンさせる度に、華々しく破裂音を打ち鳴らしてくれる。

最高出力720ps、最大トルク78.3kg-mが生み出す、カオス的なフェスティバル。キャビンには強風が吹き荒れ、ドア横の景色が滑るように流れていくが、冷静で落ち着いたハンドリングが同在する。とても奇妙な体験ではあるが、間違いなく楽しい。

このマクラーレン720Sスパイダーのドライビングの幸福感と満足感を支えているのは、シャシーにある。どんな速度域でも乗り心地は良好で、それに対しての意識は運転中はほとんどしなくて済む。アクセルを踏み込めば、2秒以内に30km/h以上の加速を得られるから、常に欲しい速度が即時的に得られる。

ほとんど発生しないボディロールにも驚かされる。従来の650Sと比較して100mmもエンジンの搭載位置を低くすることに成功したマクラーレンのエンジニアの努力だ。クルマの力学的変化は瞬時に完了し、無駄な動きは完璧に抑え込まれている。

ミドシップのスーパーカーは往々にして、乗り心地で落ち着きに欠けている場合がある。タイヤに掛かる荷重が少ないためで、スプリンレートを下げることで改善させることができる。しかし720Sスパイダーのしなやかさは魅惑的といえるほど素晴らしい。

 
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