試乗 ボルボXC90 D5 3列シート7人乗りディーゼル パワーパルスを試す

公開 : 2019.07.14 12:15

「買い」か?

ボルボ流の心地よさと実用性

プレミアムSUVでも頂点クラスに位置するのがXC90である。XC90のひとつの側面はボルボが考える「いいクルマ」を最も具現化したモデルであること。例えばインテリセーフに代表される安全思想。路側転落予防とか独自のシステムも採用される。内外装にしても上質や高級へのこだわりがあっても流行には乗らない。だからといって際どい革新や個性に走るわけでもない。

狙い所は「心地よさ」に間違いないが、分野に囚われずにアイデアを求め、それらをボルボ流に消化し、既存のクルマ価値感との融和を図ったような気がする。そういった諸々がボルボ車、とくにXC90に心地よさを与えている。

もうひとつの側面は実用性だ。XC90は日本での販売数がボルボ車でも上位にある。理由のひとつが比較的若いユーザー層。3列シートの利便性である。大柄な男性には十分なスペースとは言えないが、それでもシートのしっかりした座り心地や空調の設置でSUVのサードシートでは居心地はトップレベル。なお、サードシート用空調はシートベルトと連動で、こういった使い勝手の小技もボルボらしい部分だ。

D5 AWDインスクリプションは標準サスで944万円。エアサスのオプション価格は30万円。その他のオプションも含めて試乗車は約1030万円。ただし、XC90 D5はモメンタムの859万円から。一般的かはともかく、最上級クラスの輸入SUVでは価格競争力も高い。ボルボ流の心地よさを求めた走りや内外装を気に入るかどうかだが、伝統的クルマ主義だけではちょっと窮屈、軸脚を少しずらした価値感のクロスオーバーを求めるには最適である。

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