英国におけるGT-R「ゴジラ」 ハコスカ+R32スカイライン 50周年比較試乗 後編

公開 : 2019.08.04 07:50  更新 : 2020.12.08 10:40

世界最良のツーリングカーが完成

オーストラリアのウィントン・サーキットで行ったテストには日産の関係者も参加した。「GT-Rがスムーズに走り回るのを見て、エンジニアがどうやって4輪駆動のクルマを運転しているのですか? と聞いてきたんです。そこで、スタート時はリアドライブにしておいて、進み始めてから4輪駆動に切り替えているんです、と説明しました。ニスモのクルマを開発するのに、われわれがお金を払ったようなものです。日本のGT-Rのレースカーは550psでしたが、わたしのチームのGT-Rは650psも出ていました」

マーク・スカイフはR32GT-Rのデビューとして、アデレードのマララ・サーキットで戦った。1990年のツーリングカーレースの第6戦だ。「開発間もないGT-Rは信頼性に疑問が残っていました。ジムは1990年のタイトル争いに絡んでいたので、わたしがGT-Rをドライブするように指示されました」その選択は正解で、HR31をドライブしたジム・リチャーズは優勝する一方、スカイフはフロントハブの故障で早々にリタイアしている。その後開発が進むと、GT-Rの真の速さが発揮されてくる。

「クルマが完成したとき、世界最良のツーリングカーに仕上がっていました。ターボだけでなく、フロントのアップライトや4輪駆動用に調整したトランスミッションも、われわれ独自で制作したものでした。手を入れていない箇所はなかったと思います」 と振り返るスカイフ。

完成したGT-Rがフル参戦したのは1991年。スカイフとジムは1度づつ表彰台を逃すが、それ以外はすべてのレースでどちらから表彰台に登り、総合優勝と準優勝を獲得している。あまりの強さにオーストラリアのCAMS(オーストラリアモータースポーツ連盟)はターボブーストを制限し、クルマに100kgのウェイトを搭載させることを決める。しかし1992年もスカイラインは1位と2位を独占し、スカイフが総合優勝を果たす。

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