フェラーリばかりのオークション開催 手頃なモンディアルから極上デイトナまで

公開 : 2019.09.23 20:50  更新 : 2020.12.08 18:39

お買い得なモンディアルT

3. 1990年製 フェラーリ・モンディアルT

多くの人が欲しがるに違いない2台の高価なフェラーリの後でご紹介するのは、ずっと安価な、というか、あまり人気が高いとは言えないモデル。それがこのモンディアルTである。

1990年製 フェラーリ・モンディアルT
1990年製 フェラーリ・モンディアルT

しかし、だからといってモンディアルを蔑ろにするのは間違いだ。それどころか、素晴らしいV8エンジンを搭載する成熟した大人向けのグランドツーリングカーであると、われわれは考えている。

ジュニア・スーパーカーとも言えるルックスに、2+2シーターを備えるミドシップ・クーペという見事なパッケージングも興味深い。そんなクルマに現在付けられている価格を見れば、実にお買い得というほかない。

今回のオークションに出品されたモンディアルTは、さらにオープンエアのドライビングが楽しめるカブリオレで、しかもわずか26台しか生産されなかったマニュアル・ギアボックスの右ハンドル。極上の英国仕様車だ。過去20年にわたり、1人のオーナーが大事にしてきた個体だという。落札価格は事前予想どおりの3万2625ポンド(約440万円)だった。

コンクール受賞歴のある328GTS

4. 1989年製 フェラーリ328GTS

もう1台の「普通に乗れる」フェラーリ、328は高い信頼性と性能を兼ね備えたモデルで、一般人にも比較的手が届きやすい価格で売買されている(とはいえ、維持するためにはそれなりの資金が必要だが)。

1989年製 フェラーリ328GTS
1989年製 フェラーリ328GTS

しかも非常に美しい。ピニンファリーナよるデザインは、先代の308より洗練されたウェッジ・シェイプとなり、フェラーリの伝統にさらに相応しい姿へと進化した。GTSは、取り外し可能なルーフを持つそのスパイダー・バージョンだ。

さらに今回のオークションに出品された個体は、雑誌「オート・イタリア」や「フェラーリ・クラブ」の表紙を飾ったこともあるという。2016年にはフェラーリ・オーナーズ・クラブ・コンクールで「ベスト・イン・クラス」賞を獲得している。

走行距離は3万1584マイル(約5万830km)に過ぎないので、次のオーナーも長く楽しめるに違いない。オークションでは落札に至らず、現在も7万4750ポンド(約1000万円)で販売されている。

極上の青いデイトナ

5. 1972年製 フェラーリ365GTB/4 “デイトナ”

今回のオークションで最も高値が予想されたのは、もう1台の1972年製デイトナだった。こちらは有名ミュージシャンが所有していた経歴はないが、しかし代わりに元レーシング・ドライバーのトミー・ディクソンが乗っていた1台だ。ディクソンは1970年代に伝説的レーシング・チームのエキュリー・エコスで、サー・ジャッキー・スチュワートやロイ・サルバドーリらとともに、ワークスドライバーとして活躍した。

1972年製 フェラーリ365GTB/4 "デイトナ"
1972年製 フェラーリ365GTB/4 "デイトナ"

特に目を引くのは、ゴージャスな「ブルー・ディーノ・メタリック」と呼ばれる外装色だろう。このカラーは、2015年1月に全剥離してレストアした際に、オリジナルと同じ色で塗装されたものだという。

2016年にはフェラーリ・クラシケの認定を受け、オリジナル度の高さと車両の経歴が保証されている。走行距離はわずか5万3000マイル。専門家のジョン・ポグソンによる「最高の1台。わたしがこれまで運転したデイトナの中で、最も素晴らしい経験をさせてくれた」とのお墨付きだ。

オークションでは売り手の納得する金額まで入札が上がらず、今も54万6250ポンド(約7350万円)という価格で売りに出されている。

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