期待通りの優雅な時間 フランスの自動車コンクール シャンティイ 前編

公開 : 2019.11.03 07:50  更新 : 2020.12.08 10:56

2019年6月末、魅惑的な雰囲気を漂わせるクラシックカーが、パリ郊外のシャンティイ城へと集結しました。今回で5回目となり、ベスト・オブ・ショーのノミネート車両だけでなく、ブガッティやヴォワザンなどテーマ別の展示も特徴です。

ベスト・オブ・ショーはベントレー8リッター

text:Mick Walsh(ミック・ウォルシュ)
photo:Eric Audas(エリック・アウダス) /Mick Walsh(ミック・ウォルシュ)
translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)

 
オリジナルのインテリアを持つベントレー8リッターが、有名なコンクールの1つ、シャンティイ・アート&エレガンスで初優勝を遂げた。摩耗した青緑色のレーザーが、長年にわたって運転が楽しまれてきたことを物語る。

「これまで世界中のイベントに参加し、何度か優勝することもありました。ですがコンクール・デレガンス発祥のフランスで優勝することは、本当に特別なものです」 香港在住のアメリカ人ビジネスマンで、自動車コレクターのウィリアム・チップ・コナー2世が嬉しそうに話す。

第5回シャンティイ・アート&エレガンス
第5回シャンティイ・アート&エレガンス

「ロンドンでフィックスヘッド・クーペを目にした瞬間、恋に落ちました。とても低いルーフはカリフォルニアのカスタムカーのように見えますが、運転自体は素晴らしい。最高のかたちで土曜日を楽しむことができました」

控えめなコナーだが自身も審査員をしており、最優秀賞のベスト・オブ・ショーに選出されることは考えていなかったようだ。一方でオリジナルのままの内装を持つクルマを選んだことに対して、審査内容を称えてもいた。

ベントレー8リッターの美しいボディーワークは、イギリスのコーチビルダー、フリーストーン&ウェッブ社によるもの。GJスパークという人物の注文だった。だが1930年代に大きな事故を2回起こしている。

その中には、ベントレーのマネージャーを務めていたトム・ウィリアムズが160km/hでテスト走行中に起こした事故も含まれている。復元を受け、ブライトン・スピード・トライアルに出場している。

タルボ・ラゴT26グランスポーツも最優秀賞

シャンティイ・アート&エレガンスの最優秀賞は、戦前のクルマと戦後のクルマの両方に与えられている。戦後の最優秀賞は1948年のタルボ・ラゴT26グランスポーツが獲得した。惜しくも2018年のペブルビーチで優勝を逃したクルマだ。

フィゴーニがボディを手掛けたファーストバック・クーペで、もともとは洋服などに用いられるファスナーの事業で大成功したムッシュ・ファヨールがオーダーしたクルマ。「ジッパーキング」として知られ、ファスナーをモチーフにしたクロームメッキの装飾がボンネットにあしらわれている。

第5回シャンティイ・アート&エレガンス
第5回シャンティイ・アート&エレガンス

1948年のパリサロンで発表されたが、この特別なタルボをファヨールが所有していたのはわずかに1年間のみ。1950年代にはアメリカのメカニックが事故を起こし、街路灯の柱にぶつけ、独特なフロントノーズを破壊してしまう。

1960年にフランスの自動車コレクター、リンドレー・ロックが救いの手を伸ばす。彼は50年近くロサンゼルス周辺でタルボ・ティアドロップなどを探し続けてきた人物だった。その後チェコスロバキアのコレクターのクデラが2015年にタルボ・ラゴT26を購入し、自らレストアしたという。

ベントレー8リッターもタルボ・ラゴT26グランスポーツも、土曜日に開かれたフランスの田舎道を実際に走るロードランに参加。エレガントな走り姿は、評価ポイントを高めることになった。

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