マイナーチェンジ ミニ・クラブマン・クーパー 135ps 魅力的なゴルフの代替案

公開 : 2019.10.29 09:50

ミニらしくレスポンスの良いコーナリング

3気筒ガソリンエンジンは鋭く吹け上がるタイプではないが充分にスムーズで、回転数を上げていくと心地よいサウンドを聞かせてくれる。低速トルクも充分にあり、MTなら1速飛ばしでシフトアップしていっても、充分な加速力を引き出す力がある。

一方で7速DCTは、良いところだけではない。基本的には変速は素早く滑らかだが、バイパスのジャンクションや交差点を抜けてアクセルペダルを踏み込む際、稀に期待通りの変速をしてくれないことがある。

ミニ・クラブマン・クーパー・エクスクルーシブ
ミニ・クラブマン・クーパー・エクスクルーシブ

マニュアルモードで変速すれば、それも解決する。シフトノブを手前に引けばシフトアップ、奥側に倒せばシフトダウンで、モータースポーツでは一般的な向き。シフトダウン時には、エンジンの回転数を自動的に合わせてくれるブリッピング機能も付き、スムーズな走行を助ける。

シャシー周りも特に変更はなく、コーナリングは得意科目。ステアリングの操舵感はクイックで重みもしっかりあるタイプ。時折キックバックとトルクステアを感じ取る場面もあるけれど。

クルマは即時に向きを変え、ドライバーのお尻を中心に回転していくような印象がある。リアタイヤもうまく負荷を受け持ってくれる。車重はそれなりにあり、フロントタイヤが鳴き出してアンダーステア気味になる領域には意外とすぐに到達する。

グリップ抜けは漸進的で、スロットルを僅かに戻せばフロントノーズをラインに戻すことも難しくはない。だがフォルクスワーゲン・ゴルフフォード・フォーカスのように、コーナーを流れるように抜けていくクルマではない。

クーパーはクラブマンのスイートスポット

ステアリングに伝わるやや粗さが残る感触と、硬めのサスペンションは過度に活発なドライビング体験は、いかにもミニらしいともいえる。ドライバーの気分と道路とのフィーリングが合えば、楽しくクラブマンを走らせられるだろう。

18インチのホイールを履いていることもあってか、乗り心地も従来どおり。舗装状態が酷いと落ち着きがなくなり、跳ねるような場面がある。酷いくぼみなどでは、サスペンションからドスンと響くことすらある。

ミニ・クラブマン・クーパー・エクスクルーシブ
ミニ・クラブマン・クーパー・エクスクルーシブ

反面、滑らかな高速道路のような路面では、落ち着いた乗り心地を示してくれる。メカニカルノイズや風切り音もしっかり遮音できており、上質に仕上がっていると感じた。

フェイスリフト前にクラブマンを見送ったドライバーが、フェイスリフト後に考え直すほどの変更は受けていない。ゴルフ並みの堅実性はないし、路面を選ばない洗練性や落ち着きも備わっていない。

だがミニ・クラブマンはゴルフのように合理性で選ぶタイプではない。他にはない個性的なデザイン、無数の組み合わせが用意されたオプション。ファミリーカーとしての利便性も備え、それだけで契約書にサインする理由としては成り立つだろう。

素のクーパーの魅力的な価格とエッジの穏やかな走りは、クラブマンに飛び込みたいと考える人数を増やすのに充分な内容だろう。

ミニ・クラブマン・クーパー・エクスクルーシブのスペック

価格:2万4850ポンド(330万円)
全長:4253mm
全幅:1800mm
全高:1441mm
最高速度:204km/h
0-100km/h加速:9.2秒
燃費:18.5-18.8km/L(WLTP複合)
CO2排出量:120-122g/km
乾燥重量:1350kg
パワートレイン:直列3気筒1499ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:135ps/4500-6500rpm
最大トルク:22.3kg-m/1580-4100rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(DCT)

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