【試作車に試乗】アストン マーティン初のSUV「DBX」 舗装路/ジャリ道の印象は

公開 : 2020.01.15 09:01  更新 : 2020.04.28 18:17

アストン マーティンDBXの成り立ち

エンジンは例によってメルセデスAMG製のV8 4.0Lツインターボで最高出力は550ps。このほか、9速トルコンのギアボックス、油圧多板クラッチ式の前後トルク配分機構、前後アクスルなどもメルセデスベンツから供給を受けるが、それ以外はすべてアストン マーティンの自製といっていい。

たとえばボディはDB11で登場したアルミ・ボンデッド構造を用いるが、設計自体はDBX専用に行われた。

前:ダブルウィッシュボーン式、後:マルチリンク式のサスペンションには3チャンバー式エアサスペンションが組み合わされるほか、48Vシステムを用いたアクティブ・アンチロールバーを採用。
前:ダブルウィッシュボーン式、後:マルチリンク式のサスペンションには3チャンバー式エアサスペンションが組み合わされるほか、48Vシステムを用いたアクティブ・アンチロールバーを採用。

それもそのはず、DB11やヴァンテージはトランスアクスル方式だが、DBXのギアボックスはエンジンの直後に置かれているので、プラットフォームを流用するわけにはいかなかったのだ。

前:ダブルウィッシュボーン式、後:マルチリンク式のサスペンションには3チャンバー式エアサスペンションが組み合わされるほか、48Vシステムを用いたアクティブ・アンチロールバーを採用。

その原理はベントレーベンテイガなどに準ずるが、ロール角をコントロールする電気モーターがベンテイガなどに比べるとはるかにパワフルだとベッカーは説明する。

いっぽうでオフロード性能を極限まで高める努力はしなかったものの、こうした様々な可変装置を盛り込むとともに、アプローチ・アングルやデパーチャー・アングルなどを余裕ある値に設定することで、オールシーズンタイヤを装着するだけで充分なオフロード性能が得られたという。

プロトタイプ 舗装路/ジャリ道で試乗

オマーンでは舗装路と固く引き締まったジャリ道でDBXプロトタイプを試乗できた。

試乗コースのスタート地点まではベッカーのドライブで移動したが、その時点でDBXの特色はすでに明らかだった。

マットは「電動パワステのチューニングがまだ完全でないので、ステアリング・フィールの評価はできない」と語っていたが、現段階でも路面からの感触は充分でこの点でも不満を覚えなかった、と筆者(大谷達也)
マットは「電動パワステのチューニングがまだ完全でないので、ステアリング・フィールの評価はできない」と語っていたが、現段階でも路面からの感触は充分でこの点でも不満を覚えなかった、と筆者(大谷達也)

路面から鋭いショックが加わったとき、これをタイヤとサスペンションで吸収する能力が驚くほど高い。

しかも、アルミなど軽合金製ボディにありがちな、衝撃が加わった直後にボディに微振動が残ることもなく、バイブレーションはすっと消え去る。

ここまでソリッドでダンピング性能が優れた軽合金ボディを持つSUVを、わたしはほかに知らない。

それでいながらタイヤの位置決めは正確で、ブッシュが生み出すコンプライアンスによりフニャフニャとした感触を伝えることもない。

「これはシャープなハンドリングが期待できそうだ」と、わたしは実際にステアリングを握る前から楽しみにしていた。

果たしてわたしがステアリングを握る順番がやってくると、助手席で感じ取った印象が間違いでないことが判明する。

ステアリングにはかすかな遊びもなく、操舵に伴うすべての動きが的確に前輪に伝えられていることがわかる。このため、走り始めた直後から自信をもってドライブできた。

マットは「電動パワステのチューニングがまだ完全でないので、ステアリング・フィールの評価はできない」と語っていたが、現段階でも路面からの感触は充分でこの点でも不満を覚えなかった。

ハンドリング、乗り心地、居住スペース、動力性能などを高い次元で両立したDBX。

DB11と共通のデザイン言語を用いたエクステリアとインテリアも多くのアストン・ファンを納得させることだろう。

処女作のSUVをこれだけ高い完成度で仕上げたマット・ベッカーと彼のチームに惜しみない拍手を贈りたい。

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