ロードテスト ランボルギーニ・ウルス ★★★★★★★★☆☆

2019.07.14

100字サマリー

スーパーカーメーカーとしては大きな賭けともいえるSUV投入に、賛否両論あるでしょう。しかし、そうした先入観を取り払って、その走りや出来栄えを評価するなら、賞賛に値するクルマです。かつて、初代カイエンがそうだったように。

もくじ

はじめに
意匠と技術 ★★★★★★★☆☆☆
内装 ★★★★★★★★☆☆
走り ★★★★★★★★★☆
使い勝手 ★★★★★★★★★☆
操舵/安定性 ★★★★★★★★★☆
快適性/静粛性 ★★★★★★★☆☆☆
購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
スペック
結論 ★★★★★★★★☆☆

はじめに

将来、ランボルギーニの栄枯盛衰をまとめようとした歴史家が年表を作ったなら、ウルス誕生の年に区切りのラインを引くことになるだろう。

今回取り上げるスーパーSUVことランボルギーニ第3の市販モデルが登場するまで、サンタアガタで創業者フェルッチオのファミリーネームを掲げ続けるこのメーカーは、主にミドシップのスーパーカーを生産してきた。LM002と呼ばれるオフローダーを造ったこともあるが、あくまでも異端のラインナップにすぎない。2010年代に入るまでは年間生産台数が2000台を超えることもなく、破産を経てミムラン兄弟へ譲渡された1980年代はまさに暗黒時代。21世紀を目前にフォルクスワーゲン・グループへ組み込まれ、その後の栄華を築き上げた過程は、まださほど古い記憶に入るものでもないだろう。

しかし、ウルス後のランボルギーニは、これまでとまったく違う会社となった。サンタアガタ・ボロネーゼの本社は敷地を倍加し、2019年の生産台数は8000台を超える見込み。これは後発のマクラーレンを凌ぐ成功だというに十分で、永遠のライバルというべきフェラーリに迫るものだ。

しかし、もしもフェルッチオが健在だったなら、彼の口三味線のネタだったと伝えられる打倒エンツォの野望を現実にするべく、ウルスのようなモデルにゴーサインを出しただろうか。いまとなっては推測するほかないが、このクルマを詳細に、徹底的に検証することで、その推測の確度を高められるだろう。

驚くようなことではないが、現在の経営陣はその点に確信を持っているようだ。ステファノ・ドメニカリ会長兼CEOは、こう述べている。「デザイン、パフォーマンス、走りのダイナミクス、そしてエモーション、いずれを取っても真のランボルギーニであり、ランボルギーニのファミリーへ完全にフィットする」と。もしそうだとすれば、共有プラットフォームを用いた2.2トンものSUVが、そんなありえないような話をどのように実現したのか、ぜひともはっきりさせたいと思う。

 
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