【前年割れ 原因は?】輸入車の新車販売、4年ぶりマイナス 伸びたブランド/2020年の展望

公開 : 2020.01.15 06:10

輸入車の販売台数レポートです。残念ながら2019年は、4年ぶりのマイナスに。その理由、2020年の展望、伸びたブランドを分析しましょう。

月別、3か月連続で前年割れ

text:Naojiro Onuki(大貫直次郎)

日本自動車輸入組合(JAIA)がまとめた2019年12月期の外国メーカー車の新規登録台数は、前年同月比13.7%減の3万51台と3か月連続で前年実績を下回る。

また、日本メーカーの輸入車を含んだ数字でも同14.0%減の3万2877台と、3か月連続でのマイナスとなった。

ドイツ勢が落ち込むなか、ボルボは対前年比増。写真は東京オートサロン2020に展示されたXC60 T8ポールスター・エンジニアード。
ドイツ勢が落ち込むなか、ボルボは対前年比増。写真は東京オートサロン2020に展示されたXC60 T8ポールスター・エンジニアード。

この結果、2019年度(1〜12月)の外国メーカー車の新規登録台数は前年比3.2%減の29万9439台と4年ぶりの前年割れ。

また、日本車メーカー車含でも同4.9%減の34万8316台とマイナスに落ち込んだ。

2019年度の輸入車市場の動向についてJAIA関係者は、「9月までは外国メーカー車で前年実績を上回る登録台数を記録していたが、10月以降は台風や豪雨など災害の影響が長引いたこともあり、低調に推移した。また、日本メーカー車も新型車効果が薄れ、結果として輸入車全体で前年実績を下回った。消費税増税の影響も、少なからずあったようだ」と指摘する。

2020年 どうなる?

2020年の展開については、「輸入車全体の受注状況は、新型車を中心にそれほど悪くない。また、2020年には新型フォルクスワーゲン・ゴルフなど販売を伸ばしそうなニューモデルが各ブランドから鋭意発表される予定なので、プラスを回復する可能性は十分にある」と分析。

「一方、消費税増税の本格的な波及はあるのか、また米国とイランの関係悪化や英国のEU離脱がどれくらい市況に影響してくるのかなどは、注視していく必要がある」と指摘した。

王者メルセデスも前年比減。ベンツのSUVの中で一番多く売れるのは、日本でも世界でもGLC。写真は改良新型クーペ。
王者メルセデスも前年比減。ベンツのSUVの中で一番多く売れるのは、日本でも世界でもGLC。写真は改良新型クーペ。

外国メーカー車の12月期のブランド別成績では、メルセデス・ベンツが前年同月比10.1%減ながら7671台の新規登録を記録して58か月連続でのトップを達成する。

続く第2位には、同28.4%減ながら4714台を達成したBMWが1ランクアップで位置。前月第2位のフォルクスワーゲンは、同26.0%減の3974台で第3位に陥落した。

また、アウディは前月と同位の第4位だったものの新規登録台数はドイツ4強で唯一プラスの同12.8%増(2736台)を成し遂げた。

ランドローバー 大幅増

12月は、トップ4以外の外国メーカー車のブランド別成績では、積極的な新型車および特別仕様車の発売や販売キャンペーンの展開を行った中堅ブランドの健闘ぶりが光った。

ボルボが前年同月比8.2%増の2175台、ジープが同0.6%増の1134台、ランドローバーが同26.9%増の580台、シトロエンが同18.6%増の383台、アバルトが同23.8%増の224台を達成する。

ラグビーワールドカップのパートナーとして2019年に目立ったランドローバー。好成績を残す。
ラグビーワールドカップのパートナーとして2019年に目立ったランドローバー。好成績を残す。

また、スポーツカーブランドも好調をキープし、ポルシェが同22.9%増の1075台、フェラーリが同36.1%増の83台、ランボルギーニが同42.9%増の30台、マクラーレンが同9.5%増の23台、ロータスが同40.0%増の21台を成し遂げた。

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