ロードテスト ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ ★★★★★★★☆☆☆

公開 : 2020.01.18 11:50  更新 : 2020.01.20 06:36

内装 ★★★★★★★★★☆

豪華というまでではないものの、このクラスではレンジローバー・イヴォークに次ぎ十分にプレミアム。そうした仕立てが、ディスカバリー・スポーツの足場を不安定なものにしてきた。

室内があまりラグジュアリーさや広さで秀でていると、もっと利益率の大きい兄弟車のマーケットを侵食してしまう。高級感や実用性ではやや劣るが、マテリアルに贅沢感のあるモデル、BMW X3アウディQ5あたりと競合することになるだろう。

定評のある、ヒップポイントの高い快適なシートやシンプルで大きめのステアリングホイール、実用本位なラバー張りのモールディングなどは健在だ。
定評のある、ヒップポイントの高い快適なシートやシンプルで大きめのステアリングホイール、実用本位なラバー張りのモールディングなどは健在だ。    OLGUN KORDAL

それでも、ランドローバーのキャビンに関する目利きぶりには一安心といったところだ。定評のある、ヒップポイントの高い快適なシートやシンプルで大きめのステアリングホイール、実用本位なラバー張りのモールディングなどは健在。幅広さが顕著なダッシュボードも同様だ。

デジタル計器の連なりは、目新しく洗練された雰囲気を醸し出している。今回のSEを含む上位グレードでは、イヴォークと同じ10インチのインフォテインメントディスプレイに加え、液晶画面の計器盤も標準装備。エアコンスイッチはダイヤル式となっていて、円滑で直感的な操作ができる。

ランドローバーのバッジにふさわしい耐久性も感じさせるが、押し付けがましいほどではない。ただし、ところによっては硬いプラスティックが目につく。全体的なパネルのフィッティングはアウディやBMWに及ばないが、ボルボとなら同等といったところだ。

本領を発揮するのは実用面だ。ヘッドルームは、オプションのパノラミックルーフを装備していてさえ余裕がある。2列目シートは前後スライドが可能で、一般的な体格の乗員には必要以上のレッグルームを稼ぎ出せる。

このクラスのプレミアムカーとしては珍しく用意される3列目シートは、最廉価版のD150仕様を除く全車に設定。ある程度の距離でも座っていられるのはせいぜい子供くらいといった程度の広さだが、万能性を強めてくれる装備だ。

しかも、収納性にも優れている。ドアポケットは大きく、小物入れは数多く、荷室も広い。ディスカバリー・スポーツは、典型的な道具として使えるクルマだが、カジュアルでもフォーマルでもシーンを問わない。

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