上質さも妥協なし ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(1) マイルドHVで3列目も可

公開 : 2025.05.21 19:05

初代が築いた地位を、一層強固にした2代目 小変更でシンプルになったダッシュボード周り 大きな強みの実用性 家族での遠出も不満なしの動力性能 全般的に良好な乗り心地 UK編集部が試乗

初代が築いた地位を一層強固に

2代目ディスカバリー・スポーツの登場は、2019年。より身近なサイズのランドローバーとして、初代が築いた地位を盤石なものにした。高級感と実用性、悪路性能は、中型SUVのプレミアムクラスで確かな強みとなっている。

パワートレインは、電圧48Vのマイルド・ハイブリッドだけでなく、現代的なプラグイン・ハイブリッドも選択可能。ピヴィプロと呼ばれるインフォテインメント・システムや運転支援システムなども実装され、6年目の競争力も高いままだ。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(英国仕様)

2024年に小変更を受けたが、見た目の変化は小さめ。更新されたグロスブラックのフロントグリルと、LEDヘッドライトのデザインが、わかりやすい部分だろう。

ダイナミックSEとHSEグレードを選ぶと、ルーフがグロスブラックで塗装され、スポーティなバンパーやホイールアーチなどを獲得。洗練された印象が、一層強化される。

ディーゼルターボかプラグインHVか

エンジンは、英国仕様では4気筒ディーゼルターボの「D」が2種類。「P」のガソリンターボは、3気筒のプラグインHVのみとなる。エントリー仕様がD165で、162psと38.6kg-mを発生。D200では203psと43.7kg-mへ増強する。

プラグインHVのP270eは、12.1kWhの駆動用バッテリーを搭載し、電気だけで最長59km走行可能。1.5L 3気筒エンジンがフロントアクスルを受け持ち、駆動用モーターがリアアクスルを担当し、総合で268psと54.9kg-mを得ている。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(英国仕様)

装備は充実し、英国仕様のSでは18インチ・アルミホイールにデュオ・レザーシートなどが標準。メーターパネルはモニター式になる。ダイナミックSEでは、19インチへサイズアップし、メリディアン社製サウンドシステム、パノラミックルーフなどを得る。

ダイナミックHSEは、20インチ・ホイールにグロスブラック・トリム、マトリックスLEDヘッドライトなどへアップグレード。シートは、ヒーターとクーラー内臓の14ウェイ式になる。

シンプルになったダッシュボード周り

インテリアは、アップデートでダッシュボード周りがシンプルになった。エアコンの操作パネルは省かれ、11.4インチのタッチモニターへ集約されている。エアコンの操作は、残念ながら従来のボタンとノブの方がしやすかった。

ピヴィプロはグラフィックが美しいものの、メニュー項目が多すぎ、理解はしにくいかもしれない。アイコンは運転中の判別が難しいほど小さいものもあり、反応が素早いわけではない。それでも、アップル・カープレイとアンドロイド・オートには対応する。

ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(英国仕様)
ランドローバー・ディスカバリー・スポーツ(英国仕様)

内装は各所がソフトタッチ加工され、高級感が高い。センターコンソールのフラットなパネルは若干質感が届いていないものの、全体的なソリッド感には満足できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サム・フィリップス

    Sam Phillips

    役職:常勤ライター
    AUTOCARに加わる以前は、クルマからボート、さらにはトラックまで、EVのあらゆる側面をカバーする姉妹誌で働いていた。現在はAUTOCARのライターとして、トップ10ランキングや定番コンテンツの更新、試乗記や中古車レビューの執筆を担当している。最新の電動モビリティ、クラシックカー、モータースポーツなど、守備範囲は広い。これまで運転した中で最高のクルマは、1990年式のローバー・ミニ・クーパーRSP。何よりも音が最高。
  • 執筆

    マット・ソーンダース

    Matt Saunders

    役職:ロードテスト編集者
    AUTOCARの主任レビュアー。クルマを厳密かつ客観的に計測し、評価し、その詳細データを収集するテストチームの責任者でもある。クルマを完全に理解してこそ、批判する権利を得られると考えている。これまで運転した中で最高のクルマは、アリエル・アトム4。聞かれるたびに答えは変わるが、今のところは一番楽しかった。
  • 翻訳

    中嶋けんじ

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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