【じっくり見たい】ホンダ新型アコード、異例のデザイン開発とは 内装/後席/トランクも撮影

公開 : 2020.01.24 22:17  更新 : 2021.10.11 09:28

新型ホンダ・アコードを、細部まで撮影。日本発売を前に、開発陣に話を伺いました。内装、後席、荷室までご覧ください。

FF車に長いノーズ

photo:Kazuhide Ueno(上野和秀)

日本導入に向けて準備が進んでいるホンダ新型アコードを、じっくり撮影する機会に恵まれた。

10代目となる新型は、ホンダが“上質”という言葉に正面から取り組んだモデルだ。

全長×全幅×全高:4900×1860×1450mmという3サイズ。ホイールベースは55mm延長され2830mmに。
全長×全幅×全高:4900×1860×1450mmという3サイズ。ホイールベースは55mm延長され2830mmに。

キーとなるのは、新プラットフォームの存在。

開発の初期に、その出来を確認するテスト車両が用意できた時点で、実はデザイナー陣を集めて乗車してもらう機会を設けたという。

そのときのことを、アコード開発責任者の宮原哲也さんが明かしてくれた。

「新しいプラットフォームの運動性能(低重心・低慣性)を確認できるテスト車ができあがった際に、デザイン部門の10名ほどを、北海道の開発施設に集め、乗ってもらったのです」

「進化した走りを体現できるデザインを頼むぞ、と想いを共有することから開発をスタートさせました」

「通常FF車は、ノーズを詰め、キャビンスペースにふるのが常套策です。しかし、やはりノーズが長く見える方が格好いいのです。いかに直感的に格好よく見せるかということに、徹底的にこだわりました」

異例のテスト車試乗

10代目アコードのエクステリア・デザインを担当した森川鉄司さんもこう話している。

「デザインというのは通常、和光のデザインセンターでスケッチを書いて、モデリング、図面化をして、それを設計に渡します。それが今回はまったく違うものになりました」

細くなったAピラーのおかげで、視界は広い。インパネはすっきりしたレイアウトとし、車内空間は上質。
細くなったAピラーのおかげで、視界は広い。インパネはすっきりしたレイアウトとし、車内空間は上質。

「テストコースで先行車に乗った瞬間、このデザインはほぼ出来上がりました。アコードに求める“スポーティさ”とはなにかが、明確になったのです。品格とスポーティ。それを先行車が教えてくれました」

走りを体験してからスタイリングを描くという異例の手順。こうして生まれた新型のデザインを詳しく見てみよう。

新アコード 最大の違いは?

新型アコードは、100mm後ろに下がったAピラー、そこから力強く前に伸びるフードが印象的だ。その先端には、新しいフロントフェイスが構えている。

遠くから見ても上級サルーンと分かる堂々としたプロポーションは、日本初公開となった東京モーターショーでもひと際存在感を放っていた。

最高出力145psの2.0Lエンジンと184psのモーターによるハイブリッドを採用。WLTCモード燃費は22.8km/L。
最高出力145psの2.0Lエンジンと184psのモーターによるハイブリッドを採用。WLTCモード燃費は22.8km/L。

今回改めてカメラを構えてみると、ボディサイドを伸びるキャラクターラインがよく分かった。ホンダのクルマのなかでもとくに小さいRのシャープエッジで表現されているという。

そのラインが光に当たると、フェンダーの張り出し、スリークなキャビンとの一体感を生み出すのだ。

デザイナー陣は、「プレス部分から流れる光のコントラストが、フロントにめがけて艶やかに変化します。これが、今までのアコードと決定的に違う“品格”と“スポーティさ”を表現してくれます」と、強調した。

記事に関わった人々

  • 上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。

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