最近のホンダってどうですか?(シビック&アコード・ハンズオフ編)【新米編集長コラム#37】
公開 : 2025.07.06 13:55
AUTOCAR JAPAN編集長ヒライによる、新米編集長コラムです。編集部のこと、その時思ったことなどを、わりとストレートに語ります。第37回は、立て続けに試乗した3台を中心に、最近のホンダ車について書く話の後編です。
先代5ドアハッチバックの6速MTは名車
最近のホンダ話、その続きです。前回はフリードとアコードについて書かせて頂いたが、今回はその次にお借りしたシビックから稿を進めたい。3台とも約1週間ずつ取材を行った。
今回お借りしたシビックは、『e:HEV EX』と呼ばれる2L直列4気筒+2モーターのハイブリッドモデル。同じパワーユニットで『e:HEV LX』というグレードがあり、1.5L直列4気筒ターボを搭載する『LX』、『EX』、『RS』の3グレードを合わせた計5モデルが発売されている。RSは6速MTでタイプR風のルックスを持つ、BMWにおけるMスポーツのようなモデルだ。ボディは5ドアハッチバックのみとなる。

2017年に発売された先代10代目シビックは、5ドアハッチバックが英国生産、4ドアセダンが日本国内生産だったが、ご存知のように2021年で英国工場は閉鎖されてしまった。そこで2021年に登場した現行11代目シビックの国内販売は5ドアハッチバックのみとなり、埼玉県寄居町にある工場で生産されている。なお、北米市場でメインとなる4ドアセダンはカナダ工場生産だ。
個人的に先代5ドアハッチバックに用意された6速MTは名車だと思っていて、当時のカー・マガジンで私は『欧州車の香りが漂う良車』と書いている。その系譜は現在もRSがしっかりと受け継ぎ、試乗会で「これはよい……」と感心してしまった。なのでもう1回乗ってみたい気持ちもあったが、試乗会では触れることのできなかったハイブリッドを優先した次第だ。
同系統のパワーユニットをひとまわり小さいボディに搭載
前回アコードの印象を『自分が思っているよりも1~2割は速く走っている』と書いたが、シビックは同系統のパワーユニットをひとまわり小さいボディに搭載しているため、速さはそれ以上だった。ここで簡単にスペックを比較しておこう。
アコードe:HEV
全長×全幅×全高:4975×1860×1450mm
ホイールベース:2830mm
車両重量:1580kg
最高出力(エンジン/モーター):147ps/184ps
最大トルク(エンジン/モーター):18.6kg-m/34.2kg-m

シビックe:HEV EX
全長×全幅×全高:4560×1800×1415mm
ホイールベース:2735mm
車両重量:1490kg
最高出力(エンジン/モーター):141ps/184ps
最大トルク(エンジン/モーター):18.6kg-m/34.1kg-m
ちなみにボア、ストローク値も含めて排気量1993cc、圧縮比13.9は全く同じということで、ほぼ同じパワーユニットで90kg軽いシビックの走りがいいのは、当然と言える。
ボディサイズも静岡県東部の自宅周辺ではちょうどよく、伊豆縦貫道を走っていて、箱根から帰ってきた? あるいは今から向かう? と思しき現行シビックをよく見かけるのは、偶然ではないかもしれない。
また、美点も気になる点もアコードと似ていたのが興味深い。簡単に書けば、前者はハイブリッドがもたらす走行フィーリングなど、後者はスポーティがゆえに街中で少しドタバタする乗り心地、そしてシート座面が薄いのかすぐに疲れてしまうところなどだ。
しかし偶然にも、先にお借りしたフリードと同じボディカラー、シーベットブルーパールが好みだったこと、リアシートやラゲッジスペースが広くいいパッケージだと思ったこと、そしてやはり『シビック』であることが何だか嬉しくて、自宅の駐車場を見ながらニヤニヤしてしまった。
車両価格430万7600円、広報車の仕様で445万6100円というスペックシートを見て意気消沈してしまったことは正直に書いておくが、その『価値』については後述することにしよう。




















































